あらすじ
家族を連れて岡山の雉真家に帰ったるい(深津絵里)は、いなくなる直前の母の様子を雪衣から聞き、ますます疑問を深めます。その夜、ひなた(川栄李奈)は部屋の片隅に家族写真が飾られているのを発見。写真を通して初めて祖父や祖母の姿を見て、家族の歴史に思いをはせるのでした。数日後、錠一郎(オダギリジョー)はるいを連れてある場所に向かうのですが…。
96話ネタバレ
雉真家
客間
雪衣「算太さんと たちばなを立て直す。 あのころの安子さんは その一心じゃった。」
るい「雪衣さん。 私の叔母さん。」
雪衣「よう来られたなあ。 ありがとね。」
錠一郎「あっ いえ。 こちらこそ 大勢で押しかけまして…。」
雪衣「今夜は ごっつぉにしますから。 楽しみにしょおってよお。 フフッ。」
錠一郎「あの通帳 返しに来はったんやな。 伯父さん。 あのクリスマスに。」
回想
算太「るいじゃのう。」
るい「算太伯父さんですか?」
回想終了
錠一郎「10年前 偶然 ひなたと出会て るいが京都にいること知って…。 それから… 仕事する度に ためてたんやと思う。 謝りたかったんやと思うよ。 るいと それから るいのお母さんに。」
るい「それやったら… それやったら すぐに そない言うてくれたらええのに…。」
錠一郎「最後に… 少しだけ欲しかったんと違うかなあ。 家族と過ごす時間が。 最後に 少しだけ。」
ダイニング
勇「ほうか。 ひなた 映画村で働きょんか。」
ひなた「うん。 時代劇が好きやから。」
勇「ふ~ん。 桃太郎。 遠慮せんと どんどん食われえ。」
桃太郎「食べてます。」
勇「ハハハッ。 錠一郎さんも。」
錠一郎「ああ はい。」
勇「あ~。 錠一郎さんの『ジョー』いうなあ やっぱり あれか? ジョー・ディマジオからとったんか?」
雪衣「そねんわきゃあなかろう。」
(笑い声)
錠一郎「うわあ…。」
るい「ああ! また もう…。」
錠一郎「ごめんなさい。 すいません。」
るい「あ~。」
錠一郎「うわ…。」
るい「はい。」
錠一郎「ありがとう。 あ… るいとは 大阪で出会うたんです。」
勇「そうか。」
錠一郎「そのころ るいは クリーニング屋さんに勤めてて 僕は そこの客でした。」
勇「うん そうか。」
錠一郎「それから ずっと るいに洗濯してもろてます。」
勇「そうか そうか。 ハハハハ…。 フフフ… あ…。」
(すすり泣き)
勇「ああ…。 あの日… るいが 岡山ぁ出る言うた日。 わしにゃあ 分かっとった。」
回想
勇「住むとこが決まったら 知らせられえよ。」
るい「うん。」
回想終了