八海邸
キッチン
池月「ん~ 甘いですね!」
一駒「うん とてもおいしい。」
ミワ「よかった。 一人じゃ食べきれないので。」
池月「ねえ もし 八海さんが仕事を辞めたら 私たちって どうなるのかな?」
ミワ「ああ…。」
一駒「でも ほら この家の仕事が減るわけじゃないから 私たちの雇用は 変らないんじゃないかしら。」
池月「あっ そっか。 そうですね。」
藤浦「ちょっと ごめん。 八海 見てない?」
一駒「今日はまだ お会いしてないです。」
池月「そうですね 下には下りてこられてないです。」
藤浦「そう…。」
ミワ「どうかされたんですか?」
藤浦「どこにもいないのよ。」
池月「えっ 寝室も書斎もですか?」
藤浦「そう。」
一駒「ええっ!」
回想
八海「さすがに 家政婦さんの控え室までは カメラも来ないと思いまして。」
回想終了
ミワ「あっ もしかしたら…。」
藤浦「心当たりがあるの?」
ミワ「はい。」
藤浦「どこ?」
控え室
池月「えっ ここに八海さんが?」
ミワ「すいません 開けま~す。 あっ いませんでした。」
藤浦「何?」
池月「いるわけないじゃ~ん。」
一駒「もう… ミワさん。」
藤浦「何なの?」
寝室
池月「えっ。 スーツケースが見当たらないです。」
藤浦「えっ?」
一駒「衣類もなくなってます。」
藤浦「ほかに変わったところがないか くまなく調べてちょうだい。」
池月「はい!」
ミワ「藤浦さん!」
藤浦「何?」
ミワ「これが。」
藤浦「どこに行ったの?」