連続テレビ小説「なつぞら」第105話「なつよ、どうするプロポーズ」【第18週】

坂場「生意気なようですが 好きにやらせて下さい。 責任は取りますから。」

仲「分かった。 それじゃ 成功を祈ってるよ。」

なつ「何で 仲さんに そんな失礼なこと言うんですか? 何か手伝おうとしてくれたんじゃないんですか?」

神地「あの人に泣きついたら おしまいだよ。 永久に新しいものなんか できなくなる。」

なつ「えっ…。」

坂場「とにかく あなたは キアラについて もう少し考えてみて下さい。」

中庭

なつ「はあ…。 仲さん…。」

仲「あっ なっちゃん。 いや 暑いね…。」

なつ「仲さん… さっき イッキュウさんが 何か失礼なこと言ったみたいで すいません。」

仲「君が謝らなくたっていいんだよ。 しかし 遅れてるみたいだね。」

なつ「はい… なかなか キャラクターの イメージをつかめずに困ってます。 キャラクターが出来てないと イッキュウさんも 脚本が完成できないんです。」

仲「普通は脚本から入るのに 珍しい演出家だよね。 自分で 絵を描けるわけでもないのに。」

なつ「仲さんは あの人がやろうとしていることは 間違ってると思いますか?」

仲「なっちゃん… 僕には分からないんだよ。」

なつ「えっ…?」

仲「彼のやろうとしていることが 正しいのか間違ってるのか 新しいのか そうじゃないのか…。 どうも判断がつかない…。 それが悔しいんだよ。」

なつ「悔しい?」

仲「アニメーターとして 自分の限界を突きつけられたみたいで 悔しいんだ…。」

喫茶店・リボン

下山「井戸さん。」

井戸原「うん?」

下山「仲さんって やっぱり イッキュウさんのことを嫌ってるんすかね?」

井戸原「嫌ってる? そんなことはないだろ。 イッキュウさん嫌ってるのは むしろ俺だよ。」

下山「(せきこみ) 堂々と言いますね。」

井戸原「仲ちゃんは どっちかっていうと 買ってるんじゃないか 彼を。」

下山「買ってる?」

井戸原「うん。 今度の演出にしたって 君に言わせたんじゃないかな 坂場イッキュウを使ってほしいと。」

下山「えっ…。」

井戸原「そうさせるためには テレビで 彼を成功させなければならなかったろう。 だからこそ まな弟子の奥原なつを テレビに送り込んだんだよ。」

下山「なっちゃんを…。」

井戸原「うん。 まあ あくまで俺の推測だけどな。」

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