坂場「それじゃ そろそろ帰ります。」
亜矢美「もう?」
坂場「明日もあるので。」
なつ「あっ 電車なくなっちゃうしね。」
坂場「うん。 あっ あの…。」
亜矢美「あ~… いいから いいって。 志ある貧乏人から お金なんて頂きませんよ。」
坂場「いや でも…。」
亜矢美「そのかわり なっちゃんをお願いね。 泣かせないでよ。」
坂場「はい。 それじゃ すみません。 ごちそうさまでした。」
亜矢美「はい。」
なつ「気を付けてね。」
坂場「うん。 じゃ おやすみ。」
なつ「おやすみ。」
なつ「何ですか?」
亜矢美「なっちゃん… 今が一番きれい。」
なつ「知りませんよ!」
亜矢美「おめでとう!」
東洋動画スタジオ
<しかし 映画製作は その後 スケジュールは やはり遅れてゆきました。>
作画課
坂場「ダメです! カット割りで アクションを ごまかさないで下さい! この絵コンテどおりに カメラの前で 実際に起きていることを見せるつもりで リアルなアクションを描いて下さい。」
下山「でも それじゃ 見てて ワクワクしないって。」
坂場「絶対に ワクワクしますよ。 実写では 絶対にできないことも アニメーションなら リアルに見せられるんです。 実写のように ごまかす必要はないんです。」
下山「ごましてはないけどさ…。」
<そして 翌年の春は過ぎ ようやく完成したのは夏でした。>
映画館
<映画は すぐに公開されましたが… 不入りに終わったのです。 なつよ 大変だ こりゃ…。>