富士子「いいって…。」
千遥「姉が無事だと分かったら… 私は それでいいんです。」
富士子「あっ ちょっと待って…。」
千遥「姉には 会いたくないんです。」
富士子「えっ…。」
千遥「すみません… 許して下さい…。 このままで…。」
富士子「したけど… ここが分かったのは どうしてなの? 子どもの頃 お兄さんの咲太郎さんから あなたのいた親戚の家に来た手紙を あなたが持っていたからでないの?」
千遥「そうです。」
富士子「なつは 最近 そのこと知ってね とっても 心を痛めていたんだわ。 そんで ずっと いつか あなたが 会いに来てくれるんじゃないかって 待ってたの…。 その千遥ちゃんが やっと なつに会いに来てくれたんでないの?」
泰樹「まあ… まあ そうやって言うもんでねえ。 しゃべりたくないことだってある。」
富士子「父さん…。」
泰樹「何も聞かんでええ…。 ここに来てくれただけで十分だ。 ここはな なつのうちだ。 ということは 妹のあんたのうちでもあるんだ。 好きにしてればいい。」
東洋動画スタジオ
作画課
(ドアが開く音)
玉井「奥原さん 電話ですよ。」
なつ「電話?」
玉井「あなたの家族ですか? 北海道の柴田さんから。」
なつ「えっ 本当ですか!? すいません!」
受付
なつ「すいません…。 もしもし。」
富士子『もしもし なつ?』
なつ「母さん! どしたの? 会社になんて…。 何かあった?」
富士子『なつ… 落ち着いて聞いてね。 今 千遥ちゃんが うちに来てるんだわ。』
なつ「えっ…!?」
柴田家
詰め所
悠吉「おっ どした? こんな時間に大勢で。」
菊介「おい どこの子だ?」
東洋動画スタジオ
受付
富士子『千遥ちゃんから ここを探して来てくれたみたい。』
なつ「本当? 本当に… 千遥が来てるの?」
<なつよ 千遥は 今 あの懐かしき人々に囲まれているよ。>