連続テレビ小説「ちむどんどん」112話「豚とニガナは海を越えて」

レストラン・フォンターナ
オーナー室

房子「お兄さんの会社の社長の お嬢さん?」

暢子「はい。 その 猪野清恵さん リリィさんなのか…。 その人が もしかしたら また フォンターナに行くかもしれないので もし来たら 連絡を頂けますか?」

房子「分かった。 一応 みんなにも声かけておく。」

暢子「ありがとうございます。」

房子「それじゃ。」

(ノック)

房子「どうぞ。」

二ツ橋「失礼します。 オーナー お客様が…。 前に 一度 暢子さんのお兄様と お店に いらっしゃった女性の方で 用件は ちょっと よく分からないのですが…。」

房子「お通しして。」

(ドアが開く音)

二ツ橋「どうぞ。」

清恵「失礼します。 突然 すみません。 あの…。」

房子「猪野清恵さん? もしかして リリィさん?」

清恵「どうして…。」

房子「たった 今 比嘉… 青柳暢子から電話があったの。」

清恵「暢子さんに 伝えていただきたいんです。 あの豚肉は ここのだって。」

房子「あの豚肉?」

清恵「伝えてもらえれば 分かります。 ちなみに 暢子さんのお兄さんも ここにいます。 失礼します。」

房子「待ちなさい。 どうして 自分で伝えないの?」

清恵「もう関わらないと決めたんです。 実家にも 暢子さんのお兄さんにも。 私が悪いんです。」

房子「伝言を頼まれる代わりに 少し つきあいなさい。」

清恵「どうしてですか?」

房子「昔の私と 同じようなこと 言ってるから。 ワインは お好きかしら?」

沖縄料理店・あまゆ

賢秀「はぁ~ ちゃーならん…。」

三郎「疲れてるな…。 根 詰めんなよ。」

賢秀「明日には 千葉に戻って仕事しないと…。」

順次「千葉?」

トミ「千葉?」

賢秀「ちばっ… あっ…。 チバリヨー! こういう時は 酒! 強い酒 持ってきてちょんまげ!」

順次「あっ うん…。」

三郎「いろいろ 事情があるんだろうが 結局のところ お前さんは そのお嬢さんに ほれてるな?」

賢秀「いや それは…。」

レストラン・フォンターナ
オーナー室

清恵「大ゲンカになった理由は 私が 自分の過去を隠していたからで…。 言おう言おうと ずっと思ってて でも…。」

房子「言えなかった?」

清恵「あいつにだけは 知られたくなくて。」

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