玄関前
歌子「ありがとうございました。 また起こしください。」
暢子「ありがとうございました。」
慌ただしく ひとつきが過ぎようとしていた頃。
店内
暢子「すいません お待たせしました。」
歌子「どうぞ。
藤田「沖縄そば 2つ。」
歌子「かしこまりました。 沖縄そば お二つ。」
暢子「はい。」
矢作「はいよ。」
客「失礼します。 沖縄そばねえ…。」
藤田「いや うまくて腰抜かしますよ。」
客「ん~。」
歌子「お待ちください。」
矢作「沖縄そば 2つ。」
歌子「はい。」
矢作「おい 座ってろ。 何回も言わせんな。」
暢子「はい。」
客「ん~…。」
暢子「ありがとうございます。 また どうぞ。」
客「うまい。」
矢作「おい。」
暢子「あっ すいません 座ります。」
矢作「違えよ。 気付かねえか?」
暢子「えっ 何が?」
歌子「暢ネーネー よく見て。 お客さん。」
客「ん~ おいしい。」
客「ハッハッハッハ…。」
暢子「えっ 知らないお客さんばっかり…。 知らないお客さんで 満席になった。」
客「ん~ おいしい。」
客「沖縄そば 最高!」
客「おれ おいしい。」
客「いや~ どれも おいしいですね~。」
客「うまい。」
玄関前
客「ごちそうさま。」
客「おいしかったです。」
暢子「ありがとうございました。」
故郷 やんばるを離れて8度目の冬。 暢子は おなかの子と一緒に 夢を一つ かなえました。