連続テレビ小説「ちむどんどん」31話「ソーミンチャンプルーVSペペロンチーノ」

ホール

暢子「失礼します。 アンチパストをお持ちしました。」

房子「徳永様 お久しぶりです。」

徳永「いや~ 出張が続いててね。」

房子「また 土産話を聞かせてください。」

(食器が割れる音)

厨房

暢子「アイヤー!」

矢作「おいおい また?」

暢子「あっ… すいません!」

矢作「すぐ片づけて ニンニクむいとけ。」

暢子「はい!」

江川「比嘉 終わったらコショウの補充!」

暢子「はい!」

長山「比嘉 それ終わったらトウガラシ!」

暢子「はい! えっと… ニンニク コショウ…。 アイ あとは?」

矢作「トウガラシ! さっさと動け!」

暢子「はい! すいません…。」

あまゆ2階・ゴーヤー

暢子「(寝息)」

レストラン・フォンターナ
厨房

江川「おい 頼んだチーズ どうなってんだよ。 早くもってこいよ!」

玉島「すみません。 すぐ持ってきます!」

フォンターナは 月替わりで新メニューを 出すことを売りにしていて その厨房は 毎日 嵐のような忙しさです。

矢作「どうぞ。」

長山「遅い!」

矢作「すいません。」

暢子「アガッ!」

矢作「邪魔。」

暢子「アキサミヨー。」

矢作「変な言葉使うな 普通にしゃべれ 普通に。」

暢子「はい。」

二ツ橋「比嘉さん 冷蔵庫から ブッロ お願いします。」

暢子「あっ はい! アゲ『ぶっろ』って?」

矢作「ブッロは バター。 言葉も通じねえんじゃ 働く以前の問題だ。」

暢子「すみません!」

ホール

食事をとれるのは ランチ営業後の賄い1食だけ。 それ以外は 座ることもままなりません。

暢子「ん~ マーサンヤー。 お代わり いいですか?」

矢作「半人前のくせに 2人前食うのかよ。」

江川「食い過ぎると眠くなるぞ。」

暢子「大丈夫です!」

厨房

矢作「比嘉!」

暢子「ハッ!」

矢作「何やってんだよ。」

暢子「すっ すいません!」

朝8時から 深夜11時まで 暢子の仕事は 続きます。

玄関前

暢子「うあっ…。」

あまゆ2階・ゴーヤー

(目覚まし時計の音)

ヒロシ「暢子ちゃん! 目覚まし鳴ってる! 暢子ちゃん!」

暢子「ん…。 あっ! アイヤー!」

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