連続テレビ小説「ちむどんどん」38話「再会のマルゲリータ」

オーディション会場

♬~(ピアノ)

歌子「♬『いま私の願いごとが かなうならば 翼がほしい この背中に 鳥のように 白い翼つけて下さい この大空に 翼をひろげ 飛んで行きたいよ 悲しみのない 自由な空へ 翼はためかせ 行きたい』」

沖縄料理店・あまゆ

愛「アレッサンドロ・タルデッリは イタリア北部のミラノ生まれ。」

暢子「これが タルデッリの料理か。」

愛「ミラノ風オッソブーコ ミラノ風カツレツ。 この『ミラノ風』って どういう特徴があるの?」

暢子「ミラノ風のことは うちも…。」

(戸の開閉音)

順次「いらっしゃい。」

暢子「アイ。」

愛「どうだった?」

和彦「うん タルデッリの代理人が 取材は 一切お断りだって。」

暢子「え? どうするわけ?」

(電話の呼び鈴)

順次「ん? はい もしもし。 あまゆ。 うん? ああ ちょっとお待ちください。 和彦君 東洋新聞の田良島さん。」

和彦「えっ…。 はい 青柳です。」

田良島「明日 うちで タルデッリの取材が できることになったぞ。」

和彦「えっ 明日ですか? 何で?」

田良島「まあ ちょっと ブレーンがいてな。」

和彦「ありがとうございます。」

暢子「丸?」

愛「丸? えっ!」

東洋新聞
学芸部

暢子「どうぞ。 プレーゴ。」

タルデッリ「どうも ありがとう。」

暢子「アイヤー 日本語?」

タルデッリ「取材 始めてください。 日本語で どうぞ。」

和彦「はい。」

(シャッター音)

和彦「まず イタリアは 世界の中でも特に『地方の郷土料理こそが 食文化の源である』という傾向が 強いと思います。 地元 ミラノに こだわって…。」

和彦「今日は いろいろと貴重なお話 ありがとうございました。 約束のお時間も過ぎておりますので 最後に 一つ『あなたが 人生の最後に食べた 思い出の料理は何ですか?』。」

タルデッリ「ピッツァ・マルゲリータ。」

和彦「どんな思い出があるんですか?」

タルデッリ「ありがとうございます。 楽しかった。」

和彦「ありがとうございました。」

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