店内
三郎「ほら お前も早く出せ。 ほら。 1枚100円で買ってやるからよ。」
健男「えっ!?」
「十円玉 1枚100えん!?」
「俺 もう全部出しちゃう…。」
公衆電話
暢子「ありがとうございます!」
優子「とう! それが 暢子のいいところ!」
暢子「それが?」
優子「お父ちゃんと2人で いつも話してた。」
暢子「何て?」
優子「『ありがとう』と『ごめんなさい』を 大きな声で言えるところが 暢子の一番いいところよって。」
回想
暢子「お母ちゃん 今日まで 育ててくれて ありがとう。 いっぱい わがまま言って ごめんなさい。」
優子「偉いねえ。『ごめんなさい』と『ありがとう』が言えるのが 暢子の 一番いいところ。」
回想終了
暢子「『ありがとう』と『ごめんなさい』…。」
優子「うん。」
暢子「やっと答えが見つかった!」
優子「答え?」
暢子「お母ちゃん ありがとう!」
三郎「あっ!」
暢子「あっ! ごめんなさい!」
三郎「ああ… 大丈夫 大丈夫…。 ど… どうってことはねえ…。 電話 終わったのか?」
暢子「はい。」
三郎「終わった。 ああ よかった…。 大丈夫だって。」
レストラン・フォンターナ
玄関前
暢子「よし!」
厨房
暢子「皆さん 聞いてください!」