レストラン・フォンターナ
(ドアベル)
暢子「こんばんは。」
「失礼します。」
(ドアベル)
暢子「オーナー ちょっと お話が…。」
二ツ橋「そうですか。 矢作さんが そこまで…。 悪い予感はしてたんですが 食い逃げするほど 追い詰められていたとは。」
暢子「もし オーナーが いいと言っていただけるなら うちは 矢作さんに お店を手伝ってもらいたいんです。」
房子「えっ 矢作さんを?」
暢子「矢作さんなら お店を任せられる 料理人だと思うから。」
二ツ橋「いや 技術的にはそうでも 彼は…。」
暢子「もちろん 分かっています。 このお店にも迷惑をかけたし。 独立開業に失敗して 奥さんとも別れて。」
房子「さっき そこで あなたが擦れ違った女性…。」
暢子「ん?」
房子「矢作佳代さん。 矢作さんの奥さん。」
暢子「アキサミヨー。 そうだったんですか?」
二ツ橋「上京して最初に働いたお店で 同じレストランの コックとウエイトレスとして 出会ったそうです。 矢作さんの一目ぼれで やっと プロポーズを受け入れてもらったと うれしそうに話してたことも ありました。」
暢子「だけど 別れた奥さんが 何で今頃 このお店に?」
ちむどんどん・2階
和彦「そっか 矢作さんの別れた奥さんが フォンターナに。 ありがとう。 …で 暢子はどうしたいの?」
暢子「うちは やっぱり 矢作さんに賭けてみたい。 矢作さんとしか ちむどんどんは やれないと思えてきた。」
和彦「暢子が そう決めたなら 僕は 全力で応援するだけ。」
暢子「ありがとう。」
和彦「あとは 矢作さん自身が 引き受けてくれるかどうか。」
暢子「うん。 矢作さんは まだ 料理人としての自分を 諦めていないと思う。」
和彦「だけど もう料理は こりごりだって。」
暢子「大丈夫。 まくとぅそーけー なんくるないさー。」
和彦「うん。」
暢子「食べて。」
和彦「うん。 おいしそう。」
暢子「ジューシーお握り。」
和彦「うん。」