スーパー
春日「今 スーパーで買い出ししているので 6時には伺います。」
マンション
野本宅
野本「うん 分かった。 じゃあ待ってます。 はい。
野本「じゃ~ん。」
春日「美しいですね。」
野本「ね~。」
春日「高価なものを頂いてしまうので 代わりに お酒買ってきました。」
野本「あ~ 悪いね。 ありがとう。 ごはん もうちょっとで炊ける頃だから 待ってて下さいね。 春日さん 何飲む?」
春日「私は これを。」
野本「オッケー。」
春日「はらこ飯って 宮城県の郷土料理なんですね。 知らなかったので さっき調べました。」
野本「そうなんです! この時期にしか食べられない 贅沢なごはんなんですよ~。 ありがとうございま~す。 じゃあ こっち。 開けていいですか?」
春日「どうぞ。」
野本「仙台にはね おいしいもの たくさんあるから 春日さんにも食べてほしいな。 三角揚げっていう 分厚いお揚げとか知ってます? あとね 笹かまも有名で いろんな味があって。 帰省する時は いつも買って帰るんですけど あっ じゃあ いただきます。」
春日「野本さん 本当は 帰省したかったんじゃないですか?」
野本「え?」
春日「もし 私に気を遣ったなら…。」
野本「あっ 違うよ。 …本当に帰らないでいいと思ったの。 最近ちょっと 親の圧力すごくて。 結婚とか 相手いないのかとか そういうのの。 春日さんとごはんを食べたかったのも 本当だよ!」
野本「私がしたいようにしてるだけだから 全然 気を遣ってなんかないです。」
春日「そうですか…。」
野本「逆に つきあってもらってるは 私の方で…。 春日さんこそ 気を遣ってないですか? 私が ただ作りたいものを 作ってるだけで…。」
春日「野本さん。」
野本「ん?」
春日「初めてお会いした頃 野本さんに 『食べてほしい』って言ってもらって 私 本当にうれしかったんです。 私の実家 田舎で 父や弟だけ おかずが一品多くて 不出来なものや小さいものは 母や私の分とか そういう家だったんです…。」