一風館
恵理「あ 帰ってきた。 帰ってきた。」
祥子「うん。」
恵達「ただいま。」
祥子「お帰り!」
恵達「ただいま。」
恵理達「お帰り!」
恵理「飲んでる訳?」
恵達「はい。」
祥子「どうしたの?」
恵達「祥子。」
祥子「…ん?」
恵達「俺… もう ダメかもしれん。」
祥子「…え?」
恵達「このまま 音楽 続けてもよ… もう ダメかもしれん。」
恵理「恵達…。 恵達! 何 言ってる訳? 何が ダメな訳?」
恵達「ダメという結論も ある訳さ 姉え姉え。」
恵理「え?」
恵達「ある訳…。 それは 仕方のない事さ。」
恵達「でもさ 祥子。」
祥子「はい。」
恵達「もう少しだけ… もう少しだけ やらせてくれないか。 それで… それでもよ…。 それでも ダメだったら… 一緒に 沖縄に帰ってくれないか? 祥子…。」
祥子「はい。 分かりました。」
恵達「ありがとう。」
祥子「うん…。」
容子「大丈夫だよ。 この人なんて ず~っと ずっと ずっと ダメなんだからね。」
真理亜「おい ちょっと…。 うん そうだよ…。」
恵達「…ですよね。」
真理亜「『ですよね』じゃない。」
恵達「すみません。」
容子「うん。」
真理亜「『うん』じゃないわよ 人 慰めるのに 私 使わないでよ。」
容子「うん。 …ありがとう。」
真理亜「だからだ!」
容子「ん~。」
真理亜「何よ! 触らないでよ!」
容子「うれしいくせに…。」
真理亜「…ちょっと 恵達 あんたのせいよ! 何とかして!」
容子「本当は 私の事 好きなくせに…。」
真理亜「やめてよ! 柴田!」
後日
柴田「いや~ 参ってしまいました。 実は 私 昇進… 昇進してしまいました!」
柴田「昇進といっても 係長代理ですけど 一応 昇進ということで…。 でも 難しいですねえ 偉くなるということは…。 何が難しいかと いいますとですね 部下の管理とか… そういう事など…。 え… 何…? ん? …あれ?」
北栄総合病院
奈々子「はい。 … あぁ 柴田さん。」
一風館
柴田「はい 柴田です。 実はですね…。 私 昇進をいたしまして フッフフフ。」
北栄総合病院
奈々子「は? ごめん! 今 忙しいんだ。 おめでとう。 あ… 食事会は出席ってことで よろしく。 はい じゃあね。」
一風館
玄関
柴田「あ… あれっ?」
容子「うわ~っ!」
柴田「うわ~。 あ… あの~ ちょっと…。 あ あ あのですね。」
サロン
柴田「いや 実はですね 容子さん あの…。」
容子「ごめん 柴田君。 独りにして 今日は…。」
柴田「え…?」
今度は 容子さんが 何かありそうだね
恵理「どうしたんですか? 柴田さん…。」
柴田「いえ…。」