紺野家
渉「ありがとう。」
恵理「あ いえ そんな…。」
恵理「おいしい。」
渉「はぁ…。」
恵理「おいしいです。」
渉「あぁ…。 ありがとう。 最後まで…。」
恵理「え?」
渉「最後まで きちんとした 人だった。 最後まで…。 いつでも 家で きちんとしてないと 気が済まない人でね 朝 私が起きると 必ず もう 身支度というのかな ちゃんとしていて 化粧するところとかも 絶対 見せないし それに 私が 台所に入るのを 嫌がった。『あなたは そんな事 しないで下さい』って…。 そういう人だった。 病気になってからも そうだった。」
恵理「はい…。」
渉「だから『アイスクリームが食べたい』って いきなり 言われた時は 驚いた。 そんな事 初めてだったから…。 でも 私は うれしかった。 うれしかったんだ 私は…。 きれいな人だった。 ず~っときれいな人だった。 私が もし 訪問看護を 受けることになったら 君に お願いしたいなあ。」
恵理「え?」
渉「ダメかな そういうの…。」
恵理「いえ。 喜んで…。」
渉「ハハハ…。 よかった。 楽しみが 一つ出来た。 やっぱり アイスクリームは バニラだ。」
北栄総合病院
訪問看護科
恵理「よし…。」
看護師A「行ってきます!」
一同「行ってらっしゃい!」
恵理「どうかしました?」
奈々子「あ… いえいえ。」
聡子「大丈夫? ん…?」
恵理「私…。 私… 忘れません 紺野真知子さんの事…。 それで いいんですよね。」
聡子「うん。 …うん。」
恵理「ありがとうございます。」
恵理は 大丈夫のようだねえ。 強くなったさぁ。
さて その頃 我らがスター 古波蔵恵達は どんなしていたかというと…
スタジオ
猛「恵達。」
恵達「はい。」
猛「俺と お前の間だから 変に隠さないで 言う。」
恵達「はい。 お願いします。」
猛「ダメだ…。」