居酒屋
小松「あっ ヨネさん ちょっとだけ…。(シャッター音)いい感じです。(シャッター音)あ~ いい感じです。(シャッター音)」
小豆沢「ヨネさん…。 ヨネさん! なんすか? それ。 何の顔?」
米原「いやいや ここにね のりたまから 新しいサイン もらったんで… 一番よく見えるポーズで ツイッター あげたくて。」
小豆沢「何か パンプアップしました?」
椎葉「こんなの どうです? こんなの。」
米原「『Teacher Teacher』!」
柿崎「あっ!『What is Love?」だ!」
小豆沢「違う違う 違う違う…。『UFO』ですよね? 世代考えろよ。」
椎葉「『ブレインストーミング』モーニング娘。の。」
小豆沢「これだ!」
愛「(ため息)」
小豆沢「何なの おばはんの その『構って』感 満載のため息は。」
愛「いや オタクは いいよね。 楽しそうでさ。」
小豆沢「は?」
米原「いや 愛さんも オタクじゃないんすか?」
愛「いや 私はファンであって オタクではないもん。」
米原「いやいや どこが どう違うんすか? オタクとファンって。」
愛「う~ん 私も よく分かんないけど ファンっていうのは 身の程をわきまえて 節度ある応援をしてる人のことで オタクっていうのは 身の丈が分からなくなるほど 常軌を逸して 応援してる人のことだと思う。」
米原「愛さん 今日 何枚 チェキ券買ったんすか?」
愛「私? 20枚だけど。」
(笑い声)
米原「僕 10枚ですよ。 どう考えても 愛さんの方が 常軌を逸してるじゃないですか。」
愛「いやいや… 私の場合はさ ハナと打ち合わせもあるから しかたないし そもそもね ごめん みんなみたいに オタT着るとか 私 やっぱ無理だし。」
柿崎「それは オタTをセンスよく着る 自信がないってことじゃないですか。」
愛「何で そこだけ無駄に ポジティブなのよ。 どう着たって センスよくならない でしょうよ そのTシャツは。」
小豆沢「要するにさ 自信があるかないかって 話なんだよ。」
愛「自信?」
小豆沢「おばはんはさ 大変に おばはんらしく 世間が『いいね!』っていうものしか『いいね!』って言えない センスの持ち主なわけだよ。 だから 感度の鈍い世間からは まだ『いいね!』とされてない このサニサイのオタTは ハズいってことになるわけ これが ほら もし あの ほら… 米だか玄米だかみたいな ほら あのアーティストのサイン入りの Tシャツだったら 喜んで着るわけさ。」
愛「へえへえ どうもすいませんね。」
小豆沢「大体さ… ちょいちょい ちょいちょい… ハナが一生懸命 書いた サイン入りの オタT 来てやんないとかさ…。」
愛「ちょ… 待って待って…。」
小豆沢「ハナが かわいそうだって思わないの?」
米原「愛さん? えっ 愛さん マジすか?」
愛「えっ 何が? いやいや…。」
椎葉「…ていうか 要らないなら下さいよ!」
愛「いやいや…。」
米原「そうだよ!」
愛「でもね さすがに本人も『正直 これは着れないですよね』感 満載だったよ。」
小豆沢「それは おばはんが そう思わせてんじゃねえのか?」
愛「いやいや いやいや…。」
小豆沢「『私はオタじゃなくて ファンです』とか その おばはんの肝の据わらない感じが ハナに引け目を感じさせてんだよ。」
愛「いや そんなこと…。」
小豆沢「あ~ かわいそ。 ハナ かわいそ。」
小豆沢「よりにもよって トップオタに 自分は誰にも言えない存在なんだって 思わせるとかさ。」
愛「いや そんなことは思ってないよ。」
小豆沢「じゃ おばはん。」
愛「え?」
小豆沢「『私は この子 推してます』って 誰かに ハナのこと 紹介したことあるのかよ。」