よるドラ「だから私は推しました」3話ネタバレ

カフェ

菜摘「スイーツセットとかあるよ。」

真衣「おなかいっぱいだしな~。」

菜摘「入るよ これくらい。 だって これ おいしそうじゃない?」

小松「あれ 愛さんですよね?」

小豆沢「おばはん 来た?」

小松「愛さんも 今度 友達誘ってみよっかなって 言ってたんですけど。」

小豆沢「あ~ ありゃ ハードル高いだろ。」

愛「ごめん 菜摘。 ちょっと 席 代わってもらっていい?」

菜摘「いいけど?」

愛「何か 前 開けてるの 落ち着かなくてさ。 ごめんね。 人間ちっちゃいから。」

菜摘「何? それ。」

ハナ「愛さん? あの ご存じかもしれませんが 今日 これから ここで…。」

真衣「えっ この子 知り合いなの?」

愛「あ…。」

ハナ「あ… あっ 私 間違えました。 いとこのおねえさんに似てて。 そこで無料ライブやるんで よかったら。 サニーサイドアップっていいます。」

真衣「サニーサイドアップ?」

菜摘「アイドルグループ?」

真衣「これって 地下アイドルってやつじゃないの?」

菜摘「地下アイドルって? 愛 知ってる?」

愛「え… えっ? あっ いや… どう… いや 分かんない…。」

回想

小豆沢「その おばはんの肝の据わらない感じが ハナに引け目を感じさせてんだよ」

愛「いや そんなこと…。」

小豆沢「あ~ かわいそ。 ハナ かわいそ。」

真衣「でさ そういう地下アイドルの子たちって オーディションとかじゃなくて『私 アイドルなりたいです』って 手挙げて そしたら 次の日から いきなり アイドル なれちゃうんだって。」

菜摘「アイドルって 立候補制なの?」

真衣「いや そうなんだって。 昔は アイドルって 一握りの 選ばれた子がなるって感じだったじゃん。 でも 今は 学校のカースト低めの子が きったないライブハウス来て 歌 歌って『私 アイドル やりま~す』『僕は ファン やりま~す』って それで いっちょ上がり。 アイドルってことになるんだって。」

菜摘「でもさ…。」

真衣「リアルの世界では 満たされないもん同士が 承認欲求 満たし合ってみたいな。 何か そういう感じなんだって。 私 痛い人種って オタの方かと思ってたけど こうなってくると アイドルの方も大概だよね。 誰に望まれてもないのに 自分で勝手にアイドル宣言とかさ ちょっと 身の程わきまえろって話だよね。」

愛「何で? 何で身の程なんて わきまえなきゃいけないの? 誰かの許しがないと やりたいことも やっちゃいけないの? 誰かに望まれないと 立ちたいとこにも立っちゃいけないの? 誰が決めたの? そんなこと。 いつの間に そんな決まりが できたのかって聞いてんの!」

真衣「ちょっ… 愛。」

菜摘「人が見てるよ。」

愛「バカなのか。 人の目ばっか気にして。 バカなのか 私! もう…。」

菜摘「愛。」

愛「私だから。『私 アイドルで~す』って子に『ファンで~す』ってやったの 私だから。 私は あの子のオタなの。 ハナはね 歌も踊りもダメで おまけに コミュ障気味で オドオドしてて。」

愛「 痛くて みっともなくてさ。 でも だからこそ 私 あの子を見つけた時に『あぁ 私だ』って。『ここにいるのは 私だ』って思って。 でも その もう一人の私はさ もう すっごい頑張ってるわけ。 何か めげないで 前向いてさ。 うん。 だから…。」

菜摘「だから?」

愛「だから 私は…。」

真衣「共依存。 共依存っていうんじゃないの? そういうの。 カウンセリングとか 行った方がいいと思うよ マジで。」

菜摘「ちょっと…。」

愛「はい。 ごめんね。 じゃあ また。」

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