道中
ハナ「『私も あんなふうになって あんなとこで生きていきたいって 思ったことを思い出しました。 だから 私…』。(チャイム)『あっ あっ… 今の…』。」
小豆沢「そういえばさ 瓜田って 今 何やってんだろうね。」
愛「うん。」
小豆沢「この前も見てなかった? それ。」
愛「あっ いや… これってさ ハナそのものだなって。 好かれたくて ちょっと都合よく言っちゃう。 で 嫌われるのが怖くて こびて嘘言っちゃう。 そういう… そういう気持ち 私 嫌ってほど知ってたはずなのにさ。 なのに… 何で あの時 こう あの手を握り返して あげられなかったんだろうって 思うとさ もう… も~う…。」
小豆沢「じゃあさ… 今から すりゃあいいじゃん。」
愛「へ?」
夜
花梨「小豆さ~ん。」
花梨「頑張って。」
愛「ハナ。 ごめん! ごめん。 ごめん ごめん。 ごめん ごめん ごめん。 ごめん。」
ハナ「何で愛さんが謝るんですか?」
愛「私 あの ハナとおんなじとこ いっぱいあるから 分かるよ。 いいねって言われたら もっと そうしようって思っちゃうもんね。 ハナは 責められて当たり前なとこも あると思う。 ハナのこと責めていい人も もちろんいると思う。 でも それは… 私じゃないよね。 私じゃない… のに…。 ごめん! な… 仲直りを… して… くれないかな。」
ハナ「私の方こそ 愛さんに嘘つく必要なんてなかったのに。 もっと信じてよかったのに。 ごめんなさい。 ごめんなさい。」
愛「ごめん…。」
ハナ「ごめんなさい。」
(泣き声)
愛「あ… 許してくれる?」
ハナ「いや 私の方こそ…。」
花梨「ハナ よかったよね。」
小豆沢「うん。」