古山家
華「お母さん。」
音「うん?」
華「レッスンは? 今日も行かないの?」
音「しばらく お休みすることにしたの。」
華「しばらくって いつまで?」
音「さあ? いつかしら…」
華「何それ…。 人には やりたいことやれって 言っときながら 何なの!? それ。」
裕一「華。」
その場をあとにする華
裕一「華もさ きっと 心配してるんだよ。」
音「うん。」
裕一「音…。 本当に もう歌わないつもりなの?」
音「(ため息)もっと若い頃だったら 挑戦し続けようって思えたかもしれない。 でも残念だけど 大人になると いろんなことが見えてきてしまう。 はあ…。 分かってしまったんです。 私… 私は ここまでだって。」
音「悔しい…。 悔しいけど… どうにもならん。 裕一さん ごめんなさい。 裕一さんとの約束… 果たせなかった。 大きな舞台で歌う歌手には… なれなかった。 ごめんなさい。 ごめんなさい…。 ごめんなさい…。」