ラーメン屋
音「んっ…。」
裕一「うまっ… うまい!」
智彦「ありがとうございます!」
華「この焼き豚 最高!」
智彦「これは こいつが作りました。」
華「えっ… すごい!」
裕一「すごいね!」
華「うん。 あっ ネギ あげる。」
裕一「ネ… ネギ?」
音「ちゃんと食べなさい。」
裕一「食べなさい。」
智彦「ネギ まだ たくさんあるよ。」
裕一「僕 のりが好きなんで のり もらっても いいですか?」
智彦「のり?」
NHK
池田「ああ… 結構やられてんな。」
裕一「えっ? けんかですか?」
池田「ああ。 博打で大負けしたっつったら すごい剣幕で怒りだして『もう あんたの面倒なんか見てらんないわ』っつって 出ていっちゃった。 女ってのは いちいち うるさくて かなわねえな。」
裕一「はあ…。 …ってか 出ていっちゃった人 ほっといていいんですか?」
池田「あ~ もう 人の縁なんて なるようにしかなんなからな。 本当に縁があるんだったら じたばたしなくたって またつながる。 そんなもんだろ?」
裕一「はあ…。 僕も 最近 縁について よく考えるんですよ。」
池田「うん。」
裕一「今の僕があるのは 周りにいる人たちのおかげなんだって。 池田さんとのご縁にも 本当に あの… 感謝しています。」
池田「何だよ。 気持悪いな。」
裕一「フフフ…。」
古山家
玄関前
音「あの…。」
大倉「あっ こちら 古山裕一先生のお宅ですか?」
音「はい。」
大倉「あっ… 私 朝一新聞社の…。 あっ 古山先生! ビルマでご一緒した大倉です。」
裕一「あっ!」
裕一の仕事場
裕一「大倉さん お元気でしたか?」
大倉「おかげさまで。 今は 大阪本社の学芸部にいます。」
裕一「えっ? あっ じゃあ 今日 大阪から?」
大倉「はい! 是非とも 先生に お願いしたいことがございまして。」
裕一「はあ… ふ~ん…。」
大倉「私どもが主催している 全国中等学校野球大会が 今年から 全国高等学校野球選手大会と名称が変わるのを受けまして 新しい大会の歌を作ろう という話しになりまして それを是非 古山先生に お願いしたいんです!」
大倉「戦争が終わってから 改めて 先生の曲を聴きました。 ラジオから流れてくる『とんがり帽子』『長崎の鐘』心を打たれました! スポーツを謳歌できる 自由な時代が ようやく到来した今 未来わる若者たちを応援する曲を書けるのは 古山先生しかいないと確信したんです!」
庭
音「へえ~。 ビルマーで一緒だった方と お仕事するなんて ご縁が どこでつながるか 分からないものね。」
裕一「フフフ うれしかったな~。」