連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第24話「さよなら故郷(ふるさと)」

布美枝「フライパン 鍋 お玉 菜箸 ザル大小 お皿… あ! おみそ。」

(ノック)

「お~い。 おるか?」

(ノック)

布美枝「すんません。 お客さんですよ。 あの~ お客さんですよ!」

茂「客? 誰だ…。」

布美枝「私 誰が 誰か 分からんので ちょっと 出てみて下さい。」

茂「チョ チョッと… 声を出したら いかん。 おらん振りをしなさい。」

布美枝「えっ?」

茂「集金かもしれん。 今日 来られても どうにもならん。」

(ノック)

茂「し~っ。」

(ノック)

雄一「茂~ おらんのか? 俺だ。」

茂「あ 何だ 兄貴か…。」

布美枝「あ…。」

雄一「いや~ 大変だったでしょう。 1週間で 見合いして 結婚式 挙げて 嫁さんまで 連れて帰ってくるとは 僕も 驚きですわ。 ハハハ。」

布美枝「いいえ。 どうぞ よろしくお願いします。」

雄一「いや これは どうも。」

茂「これ おかげで 助かったわ。」

雄一「うん。」

布美枝「あ! 今 お茶 入れます。」

雄一「どうも すみません。」

布美枝「茶筒は… あ! あった。 …ない!」

雄一「背広と ワイシャツと…。 おう! このネクタイは お前のだ。」

茂「あ いかん。 大事な財産が…。」

茂 雄一「ハハハ。」

布美枝「あれ? あの時の背広…?」

雄一「帰ってきて 早々 悪いけど 俺も 急に 背広が 入り用になってな。」

茂「仕事の話か?」

雄一「おう。 重役面接だけん。 採用で決まりだろう。 今度のとこはな 給料も しっかりしとるし うちの奴も 期待しとるんだわ。」

茂「そりゃ ええな。」

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