連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第35話「アシスタント一年生」

こみち書房

美智子「ハハハハ!」

田中家

キヨ「みんな 田舎から出てきてるんだよ。 うちの店に来る 工員さん達。 あの子も 農家の三男で 中学出て すぐ こっち来たそうだけど。 口下手で 大人しいだろ。 いっつも 一人で。 で 美智子が心配して 声かけてるうちに すっかり なじんじゃって。」

布美枝「そうですか。 やっぱり 町のお母さんだ。」

キヨ「いい若いもんが 休みの日に 他に 行くとこないのかとも 思うけど。 給料は安いし 田舎にも仕送りして お小遣いも 少ないんだろ。 貸本屋は あの子達の 避難所みたいなもんだ。」

こみち書房

美智子「ありがとう。 気をつけて降りてね。」

太一「わけないっすよ。」

美智子「そうよね。 助かった!」

富田書房

(電車の警笛)

富田「こんなに分厚いから 金でも入ってるのかと思ったら。 『墓場鬼太郎』の続きをやってくれ だとさ。 ばかばかしい。 水木漫画も もう いかんね! 古くさいんだよね あの人の描くものは。 何?」

鈴木「この間から 何通か来てます。 『鬼太郎』の続きは まだか』という 問い合わせが。」

富田「『墓場鬼太郎』の復活を願う」。『続きの刊行予定を ぜひ知らせてください」。」

鈴木「そういえば 取り次ぎからも 問い合わせがありましたね。」

富田「ほう! いやいや こんな少数意見に 惑わされる訳にはいかん!」

<『墓場鬼太郎』の続きを待つ読者は 太一 1人では なかったのです>

水木家

居間

(セミの鳴き声)

茂「あ~! 決まったぞ! また 『鬼太郎』を描く!」

布美枝「えっ?」

茂「今しがた 『少年戦記』の原稿を 届けに行って もう一度 社長に掛け合ってみたんだが。」

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