連続テレビ小説「花子とアン」第107回「涙はいつか笑顔になる」【第18週】

吉平「徳丸さん… おらたちも行かしてくりょう! 子どもたちの無事を 確かめてえだ!」

ふじ「徳丸さん! おらも連れてってくりょう!」

徳丸「ふじちゃん。 ここは 男しに任しとけし!」

朝市「ほれなら おらも行く!」

リン「朝市は 学校があるら! 生徒ほったらかして 行く訳にゃあ…。」

徳丸「こんな時だ。 わしから校長に 言っとくから 行ってこうし。」

朝市「徳丸さん ありがとうごいす!」

リン「ありがとうごいす!」

武「ふんじゃあ みんな 無事でな!」

徳丸「武! おまんも行くだ!」

武「てっ!」

村岡家

<東京では 救援活動に携わる吉太郎が 村岡家に立ち寄っていました。>

英治「お義兄さん ありがとうございました。」

吉太郎「いえ。」

花子「兄やん 戻らんでいいの?」

吉太郎「そろそろ行く。 ほうか…。 郁弥さんがな…。 はな。 かよを頼むぞ。」

花子「うん。」

英治「あの子たちの親は まだ 安否が確認できないのか。」

花子「ええ… みんな どこかに 避難しててくれればいいんだけど。」

フミ「ねえ また お話聞かせて。」

花子「あ… フミちゃん ごめんね。 今 ちょっと…。」

英治「お話 してあげなよ。」

居間

花子「『昔 ある所に あんまり泣くので ナミダという名を付けられた 小さい娘がありました』。 『ナミダさんは カエルに言いました。 『何だって 私についてくるのよ?』。 『なぜかと言えば もうじき お嬢さんの周りに 涙の池が出来るだろうと思いましてね』。 ナミダは なお一層 泣きだしました。 『よして下さい! よして下さい!』。 カエルは 夢中になって 飛び回りました。 『そんなにお泣きになると 大水が出ます』。 なるほど ナミダは ちょっと泣くのをやめて 辺りを見回しますと 水は 一刻一刻に 増しておりました』。」

フミ「ナミダさん 泳げないんだよ!」

花子「そうなの! 『ナミダは 泳げなくて 困って また泣きだすのです。 『私を この島から 出してちょうだい』。 カエルは ナミダに こう言いました。 『この島から抜け出す道は 一つしかありません。 笑うんです』』。 さあ ナミダさんは 笑えるかな?」

かよ「笑える訳ないじゃんけ。」

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク