連続テレビ小説「花子とアン」第16回「初恋パルピテーション!」【第3週】

安東家

居間

かよ「どうでえ? おら お姫様みてえけ?」

もも「うん! きれいじゃん。 おらは?」

かよ「ももも お姫様みてえ。」

はな「あっ かよ。 よく似合う。 脱ぐ事ないじゃない。 私も その着物 友達から借りたの。」

回想

醍醐「はなさん 聞いたわ!」

はな「醍醐さん! どうしたの?」

醍醐「久しぶりに 故郷に お帰りになるんでしょ? きれいに変身して お母様たちを びっくりさせておあげなさい。」

回想終了

はな「カバンも靴も 全部 その醍醐さんっていう友達が 貸してくれたの。 ねえ かよは 上の学校には 行かないの?」

かよ「行かん。」

はな「どうして?」

かよ「兄やんに言われただよ。 おなごが勉強なんしたって お嫁に行くのに 邪魔なだけずらって。」

はな「でも… 勉強で知らなかった事が 分かっていくのって 本当に わくわくするわよ。 かよ 歌が好きだったじゃない。」

かよ「歌は 好きだけんど 勉強は 嫌えだ。」

はな「修和女学校にはね 楽器が たくさんあって 毎日 誰かが音楽を奏でているの。 本当にいい学校だから かよも きっと気に入ると思う。」

かよ「何で ほんなこん…。」

はな「私ね 実は ずっと考えていたの。 かよも 給費生として うちの学校に 編入すればいいんじゃないかって。」

かよ「お姉やんは のんきでいいずら。」

はな「えっ?」

かよ「もう おらの事は ほっといてくれちゃ!」

はな「かよ!」

吉平「ああ~ 寒っ。 何じゃ? こんなとこで 話って。」

ふじ「あのボコたちの前じゃ でけん話だから。 あんたは すぐに また どっか行っちもうし…。」

吉平「ほういうこんか。 分かった。 子どもたちも 大きゅうなったし こうでもしんと 二人っきりになれんからな。 ほいけど 冷えるなあ…。」

ふじ「フフッ なにょう 寝ぼけたこん 言ってるでえ! いい年こいて。 あんた ほんなだから 吉太郎やら かよの気持ち 分かってやれねえだよ。 あんたは はなだけが自慢で ほかのボコたちは どうなってもいいだけ?」

吉平「ほんなことあ ねえ。 ただ はなは 5年ぶりに やっと帰ってこれて 今しか うちにおれんから…。」

ふじ「ほれは かよも同じずら!」

吉平「どういうこんでえ?」

作業部屋

周造「どうしたでえ? かよ。」

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