里や
食堂
サト「何やってるんですか おとうさん?」
善行「あぁ いやいや ちょっと娘に会いたいなと 思いまして。 あの いてへんかったら 結構ですから はいはいはい。」
サト「あら 社長なら いますよ。」
善行「いえいえ 私は社長ではありませんから。」
サト「は?」
純「すいません。」
サト「なんだか 今日は 珍しく忙しくてね。 テレビのリモコンの位置が違ってるって クレームつける客のせいで 最初から掃除やり直したり。」
サト「幽霊が出るって 怯える客のために 一晩中そばにいてやったり。」
サト「となりの客がうるさいって ケンカしてる客を必死に仲直りさせたり。」
サト「あとはいつもどおり 酔っ払いの相手。」
善行「はあ。」
純「あ そうだ だから 私は おじぃみたいな 魔法の国を作れたら いいなっと思ってるんです。 っていうか…」
お客「うるさい!」
お客「なにを生意気に 俺はな ワシは夢あったんじゃ そんなもんな 出来るわけない アホ。」
純「父にも 同じこと 言われました。 でも 私は諦めるつもりありませんから。」
純「あ すみません。 あ 大丈夫ですか? すみませんね。 風邪ひきますから。 ああ すみません。」
サト「社長 おとうさん 外に来てるよ。」
純「あ いや でも。」
サト「あ いや いい ここは私がやっとくから。」
お客「おい 社長ちゃん!」
サト「ちょっと あんた!」
お客「なんや!」
サト「飲みすぎんのも いい加減にしな!」
お客「ごめん… ごめんな。」
サト「もう 本当にもう。」