ビューティーサロン
あゆみ「本当にいいの?」
愛「どうせ 手術で切るんだし だったら あゆみさんにお願いしたいです。」
あゆみ「わかった。」
愛「あゆみさん お願いがあるんで…」
あゆみ「純さんのこと よろしくお願いしますとか言うなら やめてよ?」
愛「ごめんなさい。 でも 1つ聞いてください。」
あゆみ「なに?」
愛「今みたいに 純さんに これからも厳しく接してもらえませんか? 時には叱ったりして 純さん 甘やかされると伸びないタイプだと思うんです。」
あゆみ「私もそう思う。」
愛「お願いします。 こんなこと頼めるの あゆみさんしかいないんです。 あなたは本当に信頼出来る人だし どんな時だって 冷静に純さんのこと見守ってくれる人だと思うんです。」
あゆみ「もう わかったから 切るわよ。」
愛「僕 髪の毛短くしたことないですけど 似合いますかね?」
あゆみ「うん なんでも似合うよ。」
愛「ああ じゃあ。」
あゆみ「任せて 私に。」
愛「はい。 お願いします。」
純「愛君。」
愛「純さん どうですかね?」
純「似合ってる ね?」
正「似合ってる。」
マッサージルーム
正「愛君。」
愛「うん?」
正「1つ聞いていいかな?」
愛「なんですか?」
正「妹と結婚して後悔してない?」
愛「どうしてですか?」
正「だって純と会わなかったら こんなに苦労しなかったかもしれないのにさ。」
愛「正直 そう思ったこともあります。」
正「やっぱり。」
愛「でも それ以上にステキなものをたくさんもらいましたから。 お義兄さんとも義兄弟にもなれたし。」
正「こんな情けない兄貴なのに?」
愛「ううん お義兄さん 今のお義兄さんは 本当に頼りになります。 いつだったか ウチの長男は 純 お前だって言ったの 本当に凄いことだと思います。 お義兄さんは人類史上初めて女性の強さも認めた男として歴史にその名を刻むべきです。」
正「ちょっと それは 大げさじゃないかな?」
愛「でも お義兄さんがお義兄さんだったから 純さんはここまでやってこれたんです。 それだけは忘れないでください。」
正「ありがとう。 さ。」
愛「ああー! ゴッドハンドですね。」