連続テレビ小説「カーネーション」第17回「熱い思い」【第3週】

居間

<お父ちゃんです>

善作「ほんまに 木之元んとこは あんな ラジオみたいな インチキなもんで 客寄せしよってからに。 また 客もアホやさかい あんなもんに すぐ飛びつきよる。」

ハル「ひがみな みっともない。」

善作「誰が ひがんでんねん。 ひがむかい! わしはな 日本人の魂の話を しとんのじゃ。」

<相変わらず お父ちゃんにとって 洋服は目の敵です。 うちが また 洋服作り出したりなんかしたら どんだけ怒りだすか 分かりません>

善作「何や?」

<どないしよう? そやけど そんな事で 諦める訳には いけへん>

(ため息)

善作「はあん…。 何 言ってるのか お前は!」

安岡家

玄関

八重子「そやなあ。 あ… そや。」

糸子「ん?」

八重子「お父ちゃんに 縫うてあげたら?」

糸子「お父ちゃんに?」

八重子「うん。」

糸子「何を?」

八重子「洋服。」

糸子「洋服?」

八重子「まず とにかく お父ちゃんに 着てみてもらうねん。 自分で着てみて なるほど こらええもんやなあてなったら 許してくれるん ちゃうかの。」

糸子「無理や そんなん。 洋服なんか 死んでも うちのお父ちゃん 着れへんわ。」

八重子「分かれへんて。 娘が縫うてくれるんやもん。」

糸子「絶対 無理や。 うちの お父ちゃんのこっちゃ 何じゃこら ちゅうて 破いてしまうんが オチじょ。」

八重子「そんな事ない やってみいて。」

糸子「う~ん。」

八重子「なあ 糸ちゃん だって 奈っちゃんが洋服 着て 初めて 商店街 歩いてんの見て 恰好よかったやろ?」

糸子「う~ん。」

八重子「うちら女が 何でも 初めての事 しよう思たら。 そら 勇気がいる。 けどな その分 恰好ええさかい! 頑張ってみ!」

糸子「うん!」

八重子「うん!」

糸子「うん!」

八重子「ねえ!」

糸子「フフフ!」

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