電車
静子「早く開けたいなあ。」
光子「うん。」
静子「何が入ってんやろなあ。」
清子「ころころちゅうたわ ころころって。」
光子「へえ~。 飴ちゃう?」
<正月が明けたら あの空っぽんなった店で 家族7人 どう食べていくか 考えんとあきません>
光子「ピカピカの真珠が入っちゃったら うち 欲しい!」
清子「あかん うちのや。」
光子「うちのや!」
清子「あかん!」
静子「2つに割ったら ええやん。」
清子「そんなん 嫌やんな。」
光子「うちかて 嫌や。」
<まっ 明日の事は 明日考えよか>
安岡家
居間
糸子「こんにちは!」
玉枝「はれ 糸ちゃん。 あけましておめでとうさん。」
糸子「おめでとうさん。 これ 心斎橋土産!」
玉枝「ああ おおきに!」
糸子「よいしょ。 ここ置いとくで。」
玉枝「はい。 百貨店の仕事 うまい事いって よかったな。」
糸子「うん 八重子さんにも勘助にも 世話なったわ。」
玉枝「糸ちゃんやで。」
糸子「あ!」
奈津「相変わらず騒がしな! あんた。」
道中
(雨の音)
糸子「何すんねん?」
奈津「はあ?」
糸子「あんた 今 投げたやろ?」
奈津「何なん? 仕事って。」
糸子「は?」
奈津「おばちゃん 言うちゃったやんか。 百貨店の仕事が どうとか。」
糸子「ああ 百貨店の制服の仕事や。」
奈津「うまい事いったんけ?」
糸子「まあな。」
奈津「は… しょうもな。」
糸子「うっさいなあ あんたこそ どないやねん。」
奈津「はあ?」
糸子「あの アホの歌舞伎役者 どないしとんねん。」
奈津「ふん。 あんた いつの話してんよ? とっくに切れたわ あんな どんくさい男。」
糸子「ほんまけ? よかったな そら。」
奈津「うちは もう 立派な吉田屋の 若女将やさかいな。 あとは そろそろ婿取りや。」
糸子「婿?」
奈津「見合いの口が ようさん来てて 忙しいねん。」
糸子「もう結婚け? はっや~! うち そんなまだ 考えた事もないわ。」
奈津「そら そやろ? 花は きれいな順に売れるんや。」
糸子「あんた 泰蔵にいちゃんみたいな人 婿さんに来たらええのにな。」
奈津「アホ! アホ アホ 不細工!」