玄関前
光子「はよはよ 姉ちゃん!」
清子「これ 旗。」
糸子「は~い。 こないしたら 勘助も えらい立派な男に 見えるやん。」
静子「なあ。」
糸子「ウフフッ…!」
善作「ほんで 誰が やる?」
木岡「そら 町内会長やろが。」
善作「お 町内会長!」
「いやいや わし 昨日から 風邪ひいて 声が出えへん。」
木岡「何が 風邪やねん。」
善作「お 電気屋 電気屋。」
木之元「わしより 善ちゃんが ええで。」
木岡「善ちゃん やったら ええねん。」
善作「わしの喉はやな 謡用や。 こういう景気づけはな やっぱり 若いやつの声がええねん お前 やれ!」
勝「え~ わしですか?!」
「早うせえ!」
木岡「早うしようや。」
勝「やっぱし お父さんの方が いいですて!」
善作「あかん あかん…。」
「早うせえ!」
木之元「あ… この… この者が やります。」
善作「わ… 分かりました。 やります。 ほなら あの… 五軒町一同 安岡勘助君の出征を祝して 万歳三唱! ほんなら いくで。」
木之元「ええから やろう。」
善作「万歳!」
一同「万歳!」
善作「万歳!」
一同「万歳!」
善作「万歳!」
一同「万歳!」
「君は やらんで ええんや!」
(笑い声)
平吉「小原。」
糸子「は?」
平吉「俺 帰るよって。」
糸子「何でや? 最後まで見送っちゃりや。」
平吉「嫌や…。」
糸子「え?」
平吉「見てられへんわ 哀れで。」
糸子「何がや? 何で そんな事 言うんよ?! せっかくの めでたい出征の日ぃやのに…。」
<そうして出征してった 勘助からは 2か月ほどして 便りが届きました>