連続テレビ小説「カーネーション」第69回「薄れゆく希望」【第12週】

居間

昌子「『ええから はよ帰ってんか!』。」

静子 清子「こわ~!」

昌子「どこの親分や…。」

光子「さすが 糸子姉ちゃんやな!」

昌子「ほんま。 あんたらの姉ちゃん どっかで修業した事 あるんちゃうか。 素人ちゃうで あのドス。」

静子「ないと思うけどなあ…。」

清子「いや 分からへんでえ。」

光子「うちらが 知らんだけでなあ。」

昌子「せやけど… ほんまに ミシン 取られてしもたら 店 どない なるんやろか…。 えらいこっちゃなあ…。」

オハラ洋装店

糸子「嫌や…。 絶対 嫌や。」

<これを取られる訳には いかん。 これは 大事な大事な生活の糧やし。 お父ちゃんが うちのために 反物を売り払ってまで 買うてくれたもんや なあ お父ちゃん… うち どないしたら ええんやろ>

居間

糸子「お父ちゃん… 教えて。」

<なあ 教えてえや お父ちゃん。 どないしたら ええんよ>

(柱時計の時報)

(ため息)

(足音)

糸子「せや! 優子 散髪しよ!」

優子「散髪?」

糸子「うん。 せや せや 忘れてた。 もう おじいちゃん いてへんやさかい あんたの髪 切ったかて ええんや。 おいで! はい こっち こっち!」

廊下

優子「変や! 嫌や! こんなん 嫌や!」

糸子「変ちゃうて。 かわいらしいて。」

優子「お母ちゃん 何で こんなんしたん?! こんなん 絶対 変や!」

糸子「変ちゃうて。 おばちゃんらに 聞いてきてみ ほな。」

居間

優子「なあ! 変やろ?」

静子「優ちゃん 何も 変ちゃうよ! へえ~ かわいらしいやんなあ。」

光子「うん! かわいらしいで。」

清子「似合うてるよ。」

静子「えっ どないしたん?」

オハラ洋装店

優子「なあ! 変やろ?」

昌子「変ちゃうで 優ちゃん。 かわいらしいでえ!」

「かわいらしい かわいらしい!」

昌子「あららら! かわいらしい かわいらしい!」

3人「かわいらしい! ああ…。」

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