連続テレビ小説「カーネーション」第70回「薄れゆく希望」【第12週】

「待て~!」

糸子「え?」

「貴様 こら 待て!」

糸子「見な!」

(優子の泣き声)

「何や アカけ?」

「アカや。」

優子「お母ちゃん 怖い。」

直子「アカって 何?」

優子「え~ん 怖い~。」

直子「アカって 何?」

(優子の泣き声)

糸子「優子。 赤に 白 混ぜたら 何色になる?」

優子「え?」

糸子「何色になる?」

優子「桃色。」

糸子「もっと足したら?」

優子「桜色。」

糸子「ほな… ちょっと 青 足したら?」

優子「う~んと…。」

オハラ洋装店

優子「紫! 青! 緑! 黄緑! 黄色! お母ちゃん これ ほんまに 優ちゃんのん? 何で こんなん 買うてきてくれたん?」

糸子「あんたは 絵が上手やろ。 これで きれえな絵 ようさん描いて 直子と聡子に 見せちゃり。 フフッ…。」

昌子「何ぼしたんですか? あれ。」

糸子「ええやないか お金の事は。」

昌子「また そんなん言うて! 今どき あんな上等なん…。 10円は したでしょ?」

糸子「はあ~ あ~あ~! よいしょ。」

玄関前

糸子「はあ~ もうすぐ だんじりやなあ 今年も。 はれ。」

木之元「おう 糸ちゃん!」

木岡「今から 祭りの寄り合いや。」

糸子「ほうか。 頑張ってな。」

木岡「おう!」

木之元「行ってくら!」

糸子「行ってらっしゃい。」

<若い男は みんな 戦地に行ってしもて 曳き手は 年寄りばっかりに なってまいました>

糸子「ほんでも だんじりは 何があっても 曳かんならんもんや。」

<そうゆうもんや>

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