小原家
オハラ洋装店
<子供らの頭がドングリになるくらいは よしとせな>
糸子「これな うんうんうん! OK! OK! ちょっと待ってて下さい!」
<とにかく このごろの 店の忙しさちゅうたら ただ事やありません>
糸子「頼んだで! これ見て待っといて もらえますか? おおきに。 すんません! 木村さん お待たせしました。 すんません!」
<ミシンも縫い子も増やして みんなで休みなしに働いても どないも おっつかんほどの 注文の量です>
「え~ そんな待たな あかんの?」
糸子「堪忍 ほんでも できるかぎり 急ぐよって。」
「しゃあないな。」
糸子「すんません!」
「それでええわ。」
<戦争で焼けた跡の始末が やっと済んで そこに おしゃれの花が どんどん咲き始めてる ちゅうところでしょうか>
安岡家
玄関前
奈津「お帰り。 おおきに。 あんた…。 お父ちゃんに よう似てるな。」
安岡美容院
優子「おおきに おばちゃん!」
直子「おおきに!」
聡子「おおきに!」
玉枝「おおきに!」
八重子「気ぃ付けてや!」
玄関前
3人「は~い! 太郎にいちゃん! 太郎にいちゃん! お帰り!」
優子「今 帰って来たん?」
直子「うちが 荷物 持ちゃろか?」
優子「うちが 荷物 持つんや。」
直子「うちや!」
優子「うちや!」
直子「うちの方が早かった。」
優子「うちの方が早かった。」
奈津「ただいま!」
八重子「お帰り!」
太郎「自分ら はよ帰らんと おばちゃん 心配すんで。」