キッチン
ミワ「おはようございます。」
一駒「おはようございます。」
池月「ミワさん 体調はどう?」
ミワ「はい おかげさまで もう すっかり治りました。」
一駒「疲れがたまってたのかもしれないわね。」
ミワ「ご迷惑をおかけしました。」
池月「ううん。」
池月「ねっ 藤浦さん ピリピリしてた?」
ミワ「あ… いえ 今日は まだお会いしてないですけど。 何かあったんですか?」
一駒「今 ご主人様と… なのよ。」
ミワ「えっ… 何でですか?」
一駒「私も詳しいことは分からないんだけど リビングから言い争ってるのが 聞こえてきたから。」
池月「やっぱり SNSのことじゃないですか?」
一駒「そうね。 ご主人様は極力そういうのは やりたくないっていう人だし 藤浦さんは それじゃ 映画の宣伝にならないって焦ってるし。」
池月「そんなことで ギスギスしないでほしいよね。」
一駒「ミワさん。」
ミワ「はい。」
一駒「二人が 何で もめてるか 探ってきてくれる?」
ミワ「えっ? いや… え~。」
リビング
(ドアの開閉音)
ミワ「失礼します。」
<この緊迫した空気… ただごとじゃない>
ミワ「あっ! あっ 失礼しました。」
(ドアの開く音)
<一駒さん!>
八海「もう この話は終わりにしましょう。」
藤浦「まだ終わっていません。」
八海「私が決めたことです。」
藤浦「勝手に決めないで下さい。 これまでも 二人で話し合ってきたじゃないですか。」
<もしかして…>
回想
八海「そろそろ… 俳優をやめようかと。」
回想終了
<藤浦さんに打ち明けたのだろうか>
藤浦「ミワさん。」
ミワ「は… はい。」
藤浦「もう体調は大丈夫なの?」
ミワ「はい。 (せきばらい) 今朝は お電話ありがとうございました。」
藤浦「電話したの ゆうべだけど。」
ミワ「あっ そうでした! すいません。 (せきばらい)」
<まずい…>
藤浦「まだ本調子じゃなさそうね。 無理しないように。」
ミワ「はい。 失礼します。」
(ドアの閉まる音)