回想
(着信)
さくら「はい!」
藤浦『もしもし ミワさん?』
さくら「あっ はい! どちら様ですか?」
藤浦『藤浦ですけど。 ミワさんのお電話ですよね?』
さくら「ミワさん…。 あ~ はい ミ… ミワです!」
藤浦『その後 体調はどうかと思って。 明日は来られますか?』
さくら「ああ…。 (せきこみ) そう… ですね い… 行きます!」
藤浦『声が変だけど 大丈夫?』
さくら「ああ で ぱが… で ぱが わ い…。 し… 失礼しま~す!」
(電話の切れる音)
回想終了
さくら「最初 誰かわかんなくて 何か テンション高く しゃべちゃった。 ごめん。」
ミワ「ええっ…。」
さくら「あっ 喉が やられてることになってるから。 じゃあ よろしく。」
ミワ「あっ さくらさん。 コーヒー 飲んでいきませんか?」
さくら「え?」
<昨日の出来事が夢なのか そうじゃないのか。 もし 本当だとしたら 一人で抱えきれる内容じゃない…>
さくら「ありがと。 どうしたの? 何かあったんだね。」
ミワ「あの… 友達の話なんですけど。」
さくら「うん。」
ミワ「昨日 うちに来て しゃべってて その子が 仕事辞めようかなって 言ってたんです。」
さくら「うん。」
ミワ「私は 続けたほうがいいんじゃないかな って思うんですけど でも 無責任なことは言えなくて。」
さくら「うん。」
ミワ「友達に どう言ってあげたらいいと 思いますか?」
さくら「それって 久保田さんの話?」
ミワ「えっ?」
さくら「こういう時の『友達の話』って 大体 自分の話でしょ?」
ミワ「あ… 違います。 私は 今の仕事 辞めたいとか思ってないので。 いや ホントに。」
さくら「でも… 久保田さん 友達いないよね?」
ミワ「わ… 私にだって 友達の一人や二人 います。」
さくら「ホントに?」
<さすが さくらさん 鋭い>
さくら「まあ 本人が辞めたいって言うなら 他人がとやかく言うことじゃないでしょ。 応援してあげるしかないよ。」
ミワ「やっぱり… ですよね。」
さくら「でも その人が ほかに代わりのきかない 特別な仕事をしてるなら別だけどね。」
ミワ「ああ…。」
さくら「だって その人だけの問題じゃないでしょ。 周りにも影響あるわけだから。 場合によっては 全力で止めるかな。 で 誰の話?」
ミワ「と… 友達の話です。」
八海邸
控え室
ミワ「よし。」