連続テレビ小説「なつぞら」第21話「なつよ、女優になれ」【第4週】

雪次郎『俺は 絶対に反対だ。 あんな乱暴者に ペチカ様を差し出すくらいなら 戦う方が ましだ! こうなったら 川下のやつらと 戦をするぞ!』。

高木『待て! 戦って どうする? ポポロよ。 戦ってるうちに 病気の者が 皆 死んでしまっては 元も子もない』。

雪次郎『それでも ペチカ様を あんなやつらに渡すよりは よっぽどいいに決まっている!』。

石川『ポポロ。 お前には 家族がおらんから そんなことが言えんだべ!』。

橋上『そうだ! 病気の家族を抱えてみれ。 そんなことは言えないはずだべ!』。

雪次郎『お前たちは ペチカ様を犠牲にしてまで 自分たちの家族を助けたいのか!』。

なつ『お待ちなさい ポポロ』。

雪次郎『ペチカ様!』。

なつ『私は 犠牲になるとは思っていません。 みんなが 血を流して戦う方が よっぽど 犠牲になると言えるでしょう』。

雪次郎『ペチカ様は あんなやつの嫁になりたいのか?』。

なつ『それを望まないことは あなたが 一番 よく分かっているはずです。 ポポロ。 だけど 自分のことだけを 考えるわけにはいきません。 そもそも 私たちは その考え方が間違っていたんです』。

倉田「ダメだ!」

なつ「えっ?」

倉田「奥原…。 お前 何考えてんだ? ちゃんとやれ!」

なつ「あの ちゃんと やってるんですけど…。」

倉田「ポポロに応えるセリフから もう一回。」

雪次郎「じゃ なっちゃん きっかけ言うべ。」

なつ「うん。」

雪次郎『ペチカ様は あんなやつの嫁になりたいのか?』。

なつ『それを望まないことは あなたが 一番 よく分かってくれているはずです。 ポポロ』。

倉田「ダメだ! もう一回!」

雪次郎『ペチカ様は あんなやつの嫁になりたいのか?』。

なつ『それを望まないことは…』。

倉田「ダメ! もう一回!」

雪次郎『ペチカ様は あんなやつの嫁になりたいのか?』。

なつ『それを望まないことは…』。

倉田「もう一回!」

雪次郎『ペチカ様は あんなやつの嫁になりたいのか?』。

なつ『それを望まないことは…』。

倉田「ダメ!」

なつ「分かりません! どうしたらいいんですか?」

倉田「どうすればいいのか 俺にも分からん。」

なつ「えっ?」

倉田「だが… お前が ダメなのは分かる。 自分で考えれ。」

なつ「そんなの… 当たり前じゃないですか。 私は 下手なんです!」

倉田「おい おい おい… 何言ってんだ。 下手というのは 何かをやろうとして できないやつのことだ。 お前は 何もやろうとしていない。 下手以下だ。」

柴田家

居間

なつ「ただいま。」

一同「お帰り。」

富士子「なつの頂戴。 ん。 ありがとう。」

なつ「ただいま。」

明美「どうだった? お芝居。 うまくできた?」

富士子「おなかすいたしょ。 先に食べなさい。」

なつ「ごめんなさい… 先に着替えてくる。」

富士子「なつ~?」

剛男「何かあったんじゃないのか?」

泰樹「具合でも悪いのか?」

夕見子「天陽君と 喧嘩でも したんじゃないの。」

照男「お前なあ… そういうことを簡単に言うな。」

夕見子「簡単に考えた方がいいんじゃないの? 重~くするより。」

照男「余計なこと言うなって言ってんだ。」

明美「夕見姉ちゃんには そんなの無理だよ。」

夕見子「うるさい。」

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