連続テレビ小説「なつぞら」 スピンオフ 秋の大収穫祭とよさんの東京物語①

とよ「ハハハハハ…。」

咲太郎「分かりました。 じゃあ これ 老貴婦人のバーバラを 練習してきて下さい。」

とよ「バーバラだな。 分かった。」

(拍手)

雪月

妙子「おやすみなさい。」

雪之助「おふくろ 大丈夫かい?」

妙子「レミ子ちゃんたちと お酒飲んだって。」

雪次郎「ハハハ… 打ち上げだな。 あっ そっか 俺が演劇に のめり込んだのは ばあちゃんの魂を受け継いだってことか。」

雪之助「バカ言うんでねえ お前。」

夕見子「ねえ 雪見 『スカイジーン』楽しみだね。」

雪見「うん 明日 学校で自慢する! スカイジーン ハアッ!」

雪次郎「ジャ~ンプ。」

雪見「アテンション プリーズ!」

妙子「よし それじゃ 明日も みんなで頑張っていくわよ。 オ~!」

雪次郎「どうした? 母ちゃん。」

妙子「いや ほら 何となくよ…。 ガッツ。」

<そうしたもんで お義母さんの帰りは延び お義母さんも私も 張り切ってみたものの…>

風車プロダクション

レミ子「落ち込まないで下さい。 初めてなんだから。」

回想

とよ『ご機嫌麗しゅうお過ごしでございます』。

蘭子『とっても。 今日は何の御用で?』。

とよ『コーヒーを頂こうと…』。

スピーカー・藤井『ストップ! こっちは 遊びじゃないんですよ』。

咲太郎「すみませんでした!」

<お義母さんのアフレコ挑戦は大失敗>

回想終了

とよ「うっ…!」

レミ子「あ… 大丈夫ですか? お水 お水…。」

とよ「あ~ 悔しい!」

レミ子「おお うん 悔しい! 忘れんのが一番!」

とよ「レミ子ちゃん 人に怒られるって気持ちいいね~!」

レミ子「は?」

とよ「こんな悔しい気持ちは久しぶりだよ。 あ~ 悔しい! あ~ チクショー! あ~ 悔しくて しかたねえわ!」

レミ子「喜んでんの? 悔しいの?」

とよ「両方! 年寄りの特権で 怒られるなんてねえからな ありがたくて 涙出てくるよ。」

レミ子「心配して損しました。」

とよ「それにしてもだ レミ子ちゃん あんたの老貴婦人には たまげた。 いきなり代役で ス~ッとできんだから。」

松井「レミ子は だみ声だから 老婆はできるんだよ。」

島貫「普通の女は ちょっとな。」

レミ子「うん…。」

とよ「なしてだ?」

松井「お疲れさん。 座れ 座れ。」

咲太郎「お疲れさまでした。」

とよ「咲太郎 迷惑かけて すまなかったな。」

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