比嘉家
庭
良子「おいしそう!」
暢子「パパイアの漬け物 かぼちゃの酢の物 モーイ豆腐 タコと小豆の汁 シマナーンブシー 貝のジューシー。 頂きます。」
一同「頂きます。」
やんばるに帰ってから 暢子は 毎週日曜日 おばぁたちと 地元野菜と郷土料理の 勉強会を開いています。
暢子たち「おいしい。」
新垣「上等さ。」
安室「マーサンヤー。」
歌子「このパパイヤ 暢ネーネーが アカバナで色づけしてくらたから 見た目もきれいになったね。」
暢子「うん。 野菜の食べ方 昔ながらの料理も まだ知らないことが たくさんある。 うちは もっともっと知りたい!」
良子「うまんちゅ給食を やる時 うちも そう思った。」
安室「こんな献立は もう うちらの代で 終わってしまうかもしれんね。」
暢子「だったら うちがいっぱい作る。 こんなに おいしい料理の伝統が 途絶えてしまうのは…。」
善一「アイ 例の勉強会ね。 あ~ 今日は あちこちで歩いて 疲れてしまった。 これ 全部サーターアンダギー?」
暢子「はい。 食べてみてください。 こっちは いつもの。 黒糖 フーチバー かぼちゃ 紅いもです。」
善一「へえ~ 頂きます。」
和彦「どうぞ。 このお茶は カラキで いれたそうです。」
善一「んっ いい香り。」
良子「んっ おいしい。」
歌子「マーサン。」
新垣「はぁ もう 懐かしいさ。」
安室「こういうのを食べられるお店 ないしね。」
暢子「食堂をやりたい。」
和彦「この村で?」
暢子「うん。 うちは この村で レストランを開きたい! 自分なりの工夫もしてみたいし もっと みんなに食べてほしい。」
歌子「みんなって?」
暢子「それは 分からないけど…。 何か いい方法はないかね…。」
居間
和彦「この辺りは 戦前から 出稼ぎで大工修業に 出たことがある人が多いそうですね。」
優子「賢三さんも 昔 このおうちを1人で建てた。」
和彦「1人で この家を?」
優子「少しずつ 働きながら何年もかけて。」
暢子「それだ! どうして思いつかなかったわけ? できる。 れすとらん!」
優子「えっ?」
暢子「お母ちゃん お願い! ここで この家で レストランを 食堂をやりたい。」
優子「アイ 面白そうだね。」
暢子「アハハッ…。」
和彦「ヘlヘッ…。」
優子「えっ ここで?」
暢子「ここで!」
優子「レストラン?」
暢子「レストラン!」