回想
我那覇「よ~く考えろ。 そんな重大な政府の秘密を お前に話せるか?」
賢秀「だけど 知らないと交換に行けないし。」
我那覇「特別レートでの交換は 限られた人間しか許されない。」
賢秀「限られた人間?」
我那覇「政府に太いパイプを持つ 金を 右から左に動かして どんどん増やしていける連中だけ。 俺は そのメンバーに選ばれた。」
賢秀「何ですか?」
我那覇「政府発行の ドル円特別レート交換権利証明書。」
賢秀「アキサミヨー!」
我那覇「どうする? 俺に金を預ければ お前の金は 倍になる。 ただし 時間に余裕がない。」
賢秀「預けます! すぐ預けます!」
我那覇「一口 1万ドルから受けてやる。」
賢秀「1万ドル!?」
回想終了
暢子「ありえん。 そんなお金 あるわけないさ。」
賢秀「心配すんな! 俺が ばっちり交渉してきた!」
回想
我那覇「いくらなら集められる?」
賢秀「あ~… いや~…。」
我那覇「特別に 本当に特別に 1,000ドルから受けてやる。」
賢秀「1,000ドル?」
回想終了
良子「そんなわけないでしょう。 どう考えても おかしくない?」
賢秀「このチャンス逃したら 比嘉家は 二度と はい上がれないよ。 ずっと ず~っと貧乏のまま。 それでもいいのか?」
暢子「アイッ!」
歌子「学校 行かないと。」
賢秀「あっ?」
良子「うちは反対。 その話 勝手に お母ちゃんには話さないでよ。」
賢秀「いや…。」
良子「お母ちゃんは ニーニーに頼まれたら すぐに言うことを聞いてしまうから。 絶対 駄目! 分かった?」
賢秀「はあ~?」
良子「行ってきます。」
賢秀「えっ おい…。」
暢子「ニーニー ごめん。」
歌子「ごちそうさま。」
暢子「片づけ お願いね。」
賢秀「はっ?」
歌子「お願い!」
賢秀「あっ ちょっ…。」
暢子「ごちそうさま!」
賢秀「おい!」
暢子 歌子「行ってきま~す。」
賢秀「何でよ! せっかくの もうけ話だのに。」
山原高等学校
調理実習室
暢子「お金が 倍にねえ。 そんな話が 本当ならいいけどねえ。」
珠子「部長! 部長! 南高の料理部が!」