連続テレビ小説「ちむどんどん」21話「フーチャンプルーの涙」

山原高等学校
調理実習室

早苗「いい香り。」

珠子「暢子先輩なら 東京のレストランで すぐに料理長?」

暢子「まさかやー。 そんなに甘くないぜ。」

珠子「はっさ! 東京弁! いつ覚えたの?」

暢子「東京弁ぐらい もとから使えるじゃん。 意外に 簡単だぜ。」

(笑い声)

「えっ えっ 東京のどこに住むの?」

暢子「銀座だぜ。」

早苗「もう決めてるわけ? 銀座は 家賃も物価も 一番 高いんでしょ?」

暢子「銀座には 有名なレストランが 一番 たくさんあるんだぜ。」

(笑い声)

早苗「何それ!」

「だぜ! だぜ!」

(笑い声)

一同「あ~!」

サンセットバーガー

照屋「チェック チェック…。 ハッハッハッハ…。 ハ~ ハッハッハ~…。 ハ~ ハッハッハ~…。 チェック チェック…。 ハ ハ ハ~ ハ~。」

賢秀「お代わり! ウイスキー ストレート!」

マスター「もう 5杯目だろ?」

智「7杯目です。」

マスター「完全に 目 据わってやし。」

賢秀「我那覇さん 何で来ないわけ? 昼までには 絶対来るって言ってたのに。」

マスター「知らないよ。 電話してみたら?」

賢秀「何度もかけたのに かからんわけよ!」

マスター「えっ?」

賢秀「マスター 友達でしょ?」

マスター「ただの客さ。 投資関係の仕事をしてる 実業家って聞いただけってば。 落ち着け。 なあ 落ち着け。 音楽でも聴いて。 水飲め 水…。」

賢秀「ウイスキー! ウイスキー ストレート!」

(拍手)

照屋「こんばんは。 照屋良太郎です。 今夜 ライブができるのも 高校時代の恩師 下地先生のおかげです。 聴いてください。『バラが咲いた』。」

(拍手と指笛)

下地「こら!」

♬~(ギター)

照屋「♬『バラが咲い』」

(電話の呼び鈴)

賢秀「もしもし 我那覇さん!」

女性☎『もしもし サンセットバーガー…。」

賢秀「この…。」

マスター「落ち着けって お前は。 ごめん。 続けて。」

(拍手)

照屋「改めまして…。」

賢秀「ウイスキー!」

照屋「『バラが咲いた』。」

♬~(ギター)

「我那覇って男 来てる? 金を倍にしてやるって言われて預けたのにお 全然 連絡つかん!」

下地「ちょっと あなた。 静かにしなさい!」

賢秀「見せろ!」

「我那覇は 詐欺師? 俺は だまされたの?」

マスター「いや 俺も 知らないってば 詳しいことは。」

「警察に行く! 返せ!」

(ドアベル)

下地「今夜は 神聖なライブ。 あなたも 出ていきなさい!」

賢秀「我那覇を呼べ! 俺の960ドル 返してくれ! 母ちゃんに 何て言えばいいわけ? おい!」

マスター「やめろ はなせ!」

(悲鳴)

賢秀「金返せ! 我那覇は どこだ! 我那覇 どこだ!」

(騒ぎ声)

下地「出ていきなさい!」

賢秀「うるせえ!」

下地「あ~! 血!」

照屋「先生 それケチャップ!」

下地「何ね これ!」

賢秀「離せ!」

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