比嘉家
歌子「まだ起きてる? ネーネー うち 好きな人がいる。 ネーネーも いるんじゃない? 金吾さんとは 別に。 ネーネー?」
あまゆ2階・ゴーヤー
暢子「んっ んあ~! あ~っ…。」
賢秀「『金は 部(ばい)にして返す!』。」
暢子「まさかやー…。 まさかやー!」
沖縄料理店・あまゆ
店内
トミ「はい。」
順次「ああ。」
(階段から落ちる音)
暢子「アガッ!」
トミ「大丈夫?」
暢子「おはようございます!」
順次「おはよう。 どうしたの?」
暢子「ニーニーは?」
順次「朝早く 出ていった。」
暢子「えっ…。」
玄関前
暢子「はあ…。」
サンセットバーガー
石川「縁談?」
良子「どうしたらいいと思います? 聞きたいんです。 博夫さんが どう思うか。」
石川「君は 俺の家族でも 所有物でもない。 責任持てないし 今の俺に 意見を言う権利も…。」
良子「責任とか権利とか そんな話を聞きたいんじゃない。」
石川「俺の意見は… 関係ある?」
良子「関係 ないんですか?」
石川「でも… 仮定として 俺が『するな』と言えば 結婚しないのであれば それは 君の近代的自我に コントラディクションが発生して… さの… 僕のエゴの構造的に… その…。」
良子「弱いわけさぁ 結局。 だから すぐ 誰かに意見を求める。 打算に傾くのが 善か悪 とっくに結論は出てる。」
良子「だけど 人生には 打算的にならなきゃならない場面もある。 その矛盾が 一人で乗り越えられない。 誰かに 背中を押してもらいたいと願ってる。」
石川「良子…。」
良子「さようなら。」
(ドアベル)