連続テレビ小説「ちむどんどん」50話「あの日、イカスミジューシー」

レストラン・フォンターナ
オーナー室

優子「本当は もっと早く ご挨拶に伺うべきだったのに 遅くなって 申し訳ありません。」

房子「とんでもない。 お会いできて光栄です。」

優子「夫に続いて まさか 暢子まで お世話になるとは思ませんでした。」

房子「賢三が 私の店を手伝ってくれたのは 終戦直後。 彼が 復員して間もない頃 もう 30年近くになるんですね。」

優子「一緒に 商売を続けようと 誘ってくださったと聞いています。」

房子「短い間だったけど 息子みたいなものでしたので でも 一旦 沖縄に戻って 出直してくると言って出たいったきり 二度と 帰ってきませんでした。 あなたと出会って 結婚したからだと分かったのは 随分 後になってからのことです。 私は 裏切られたと思い込んで 随分 ひどい内容の手紙を出しました。 本当に ごめんなさい。」

優子「こちらこそ。『子供を引き取ってもいい』と おっしゃっていただいた時 最後には お断りしてしまい 申し訳ありませんでした。」

房子「賢三は あなたのような方と 家族になれて 幸せだったと思います。」

優子「いつか 沖縄に いらっしゃることがあれば 是非 やんばるまで 足を延ばしてください。 うちと 一番下の娘は 今でも あの人が自分で建てたおうちに 住んでいるんです。」

房子「まあ そうですか。」

優子「暢子は ご迷惑を おかけしていませんか?」

房子「怖いんです。 私にとって あの子が どんどん大切な存在になっていくのが…。 あの子の 父親の時と同じように。 でも 人間は 何度も同じ失敗を繰り返すんですね。 あっ… ごめんなさい。 今のは 独り言。」

優子「暢子のこと 今後とも よろしくお願いします。」

帰りの道中

歌子「チョコレートケーキ 初めて食べた。」

暢子「デージおいしかった。 おなかいっぱい。」

歌子「ネーネー パンダ見に行こう!」

暢子「パンダ?」

歌子「うん。」

暢子「人がいっぱいと思うよ。」

歌子「当たり前さ ここ東京だのに! 行こう 行こう! ネーネー 早く!」

暢子「待ってやー!」

翌日 優子と歌子は 沖縄へ 帰っていきました。

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