養豚場
そして 千葉の養豚場では。
賢秀「はぁ~ やめといた方がいいな。」
清恵「何で?」
賢秀「お前みたいな女が 嫁に行けるわけがないアラニ。」
清恵「あんたの嫁にだけは 絶対にならないから安心して。」
賢秀「ああ?」
清恵「たまに お金が入ると ふらふら街に出かけて 今日はパチンコ 明日は競馬 あさってには 一文無しのぷー太郎。」
賢秀「とう! 見とけよ。 その内グレイトなビジネスで 一山当てて 成り上がるからよ。」
清恵「全く 親の顔が見てみたいね。」
賢秀「母ちゃんの悪口は 言うな! ヤナカーギー。 黙れ!」
清恵「黙るのは お前だ!」
賢秀「うおあ~! アガッ!」
寛大「大丈夫か?」
賢秀「謝れ。 そこに正座してからに 謝れ!」
清恵「嫌だね。 死んでも謝んない!」
賢秀「ちゃーならんさー! お前みたいな女の下で 働けるか! んっ! フン。」
寛大「賢秀!」
清恵「お父ちゃん ほっといて!」
石川家
そして そのころ 良子は…。
レストラン・フォンターナ
玄関前
暢子「はあ。 ふう…。 よし。」
厨房
玉島「どこにもいません。」
暢子「何かあったんですか?」
矢作「シェフが遅刻で まだ来ねえんだ。」
暢子「まさかやー。」
房子「私が指示するから とにかく 仕込み始めて。」
スタッフたち「はい。」
(電話の呼び鈴)
控室
暢子「もしもし フォンターナです。 えっ!? シェフが?」
厨房
暢子「今朝 早く 堤防で釣りをしていたら 子供が 海に落ちそうになって 慌てて助けようとして 足を滑らせて 今 病院に。 両足骨折で 1か月は入院だそうです。」
矢作「1か月?」
江川「どうすんだ?」
房子「それで その子供は?」
暢子「子供は ただカニを眺めていただけで シェフが 勝手に 海に落ちると思い込んで… 自分が 転落したそうです。」
山辺「え~。」
「駄目だこりゃ…。」
「シェフ…。」
「あ~あ…。」
房子「仕込み再会。 とにかく 今日一日 力を合わせて乗り切るしかない。」
矢作「明日は どうするんです?」
房子「シェフ代行を立てます。」
暢子「シェフ代行?」
房子「とにかく 私は病院に。 じゃあ あと お願いします。」
スタッフたち「はい。」
「まずいですね…。」
玉島「誰になるんですかね シェフ代行。」
矢作「オーナーは 人を見る目があるお方 この中で 誰が一番仕事ができて人望が厚いか よく分かってらっしゃるはず。」
暢子「それはつまり 誰ですか?」
矢作「鈍感。 いいから 仕事しろ。」
暢子「はい。」