和彦「ニヤニヤし過ぎ。」
暢子「いいさあ 幸せだのに。 レストラン 最高~!」
優子「お母ちゃんもね 昔 食堂の娘だったんだよ。」
良子「ん?」
暢子「しんけん?」
良子「知らなかった。」
賢三「いつ?」
優子「もう ずっと昔。」
暢子「お父ちゃん。」
賢三「ん?」
暢子「うち 東京に行ってみたい!」
賢三「えっ?」
賢秀「ありえん。 そんな金があったら 俺の新しいズックを買ってほしいよ。」
暢子「要らないって言ってたさ。」
良子「代わりに それ 買ってもらったでしょ。 お父ちゃん 体操着 先輩のお下がりだから 古くて ほつれてる。 新しいの買って。」
優子「何? みんな 急に ぜいたくなこと言って。」
賢秀「父ちゃん 頼む!」
良子「お願い!」
賢三「分かった 分かった 買ってあげるから。 早く食べなさい。」
賢秀「はい!」
良子「はい!」
優子「(小声で)大丈夫ね?」
賢三「まあ なんとかするさ。」
暢子「おいしい。」
シェフ「本日は ありがとうございます。」
「ごちそうさまでした。」
シェフ「お料理の方は いかがでしたか。」
暢子「恰好いい…。」
シェフ「ごゆっくりなさってください。」
シェフ「本日は お楽しみいただけましたでしょうか。」
史彦「はい。 おいしかったです。 ごちそうさまでした。」
シェフ「ありがとうございます。」
暢子「あの真っ白な服で料理してるわけ?」
史彦「コックコートっていうんだよ。」
優子「青柳さん あと1か月ぐらいですか?」
史彦「本当 あっという間で…。」
和彦「東京に遊びに来いよ。 おいしいもの いっぱいあるぞ。」
暢子「東京には レストランが 何軒ぐらいあるわけ?」
和彦「たっくさん。」
暢子「10軒? 20軒?」
和彦「もっと。」
暢子「50軒? 100軒?」
和彦「もっと もっと もっと!」
暢子「わ~ ちむどんどんする! いつか東京に行ってみたい。」