青柳家
暢子「かつしか ほくさいですか?」
重子「横山大観 竹久夢二の絵も 飾ったらどうかしら?」
和彦「母さん 暢子は 料亭をやるわけじゃ…。」
重子「私は 暢子さんの腕を 一流と認めているからこそ 絵画も 一流のものがいいと 言ってるの。」
和彦「却下。 ありえない。」
重子「はぁ…。 じゃあ 一つだけ これだけ これだけ 絶対に譲れない条件。」
暢子「どんなことでしょう?」
重子「和彦の仕事の足を引っ張るような まねだけはしない。 それだけは 絶対に許せません。」
和彦「母さん。」
暢子「重子さん それは大丈夫です。」
重子「しーちゃん。 そこ 大事だから。」
暢子「あっ しーちゃん… さん…。」
重子「しーちゃんに『さん』は要りません!」
暢子「はい…。」
重子「もう一回 言ってみて。」
暢子「しーちゃん…。」
重子「ああ フフッ…。」
和彦「母さん もう いいから。」
沖縄料理店・あまゆ
多江「こんなに もらってきたの?」
暢子「できるだけ 情報が欲しくて。」
三郎「しかし 驚いたよ。 一体全体 どうして沖縄料理の店なんだよ? イタリアン 修業してきたのに。」
順次「それと 何で 東京でお店出すわけ? 沖縄の人がたくさんいる この辺で やればいいのに。」
トミ「うちの商売敵に なっちゃうから?」
暢子「沖縄を知らないお客さんにも おいしいと喜んでもらえるお店に したいと思って。」
智「客単価は いくらぐらい?」
暢子「まだ 決め切れていなくて。 お店の大きさ 家賃の予算 考えてはいたんだけど いざ 決めるとなると いろいろ迷ってしまって。」
多江「初めてお店を持つんだから 大変なのは当たり前。 一人で考えこまないで 何でも相談してね。」
暢子「ありがとうございます。 頑張ります。」
東洋新聞
学芸部
田良島「お前は いいのか? フリーランスになって 沖縄をライフワークにする夢は。」
和彦「もちろん 諦めていません。 だけど今は とにかく 暢子の夢の実現を 応援したいと思っています。 もうしばらく ここで しっかり頑張らせてもらいます。」