比嘉家
良子「お母ちゃん。」
優子「あっ お帰り。」
歌子「お帰り。」
優子「ほら これ 賢秀が。 ジャイアントビタミン スリーセブンって。」
歌子「お母ちゃんが うちに相談もなく 会員になってしまって。」
良子「アキサミヨー お母ちゃん。 これは マルチ商法と言って…。」
優子「うちは ビタミン剤より 野菜を食べる方が好きだから 多分 これは開けないよ。 でも 賢秀が 一生懸命やってるんだのに 応援してあげたいさぁ。」
良子「これ以上は 絶対に駄目だからね! 分かった?」
優子「分かった 分かった。 あっ ごはん 食べていくでしょ?」
良子「晴海 また野菜残してる!」
晴海「おいしくない。」
良子「野菜食べないなら もう ごはんはなし! もう 何もあげないよ!」
優子「良子 何も そこまで言わんでも。」
良子「これは お母ちゃんには関係ないから 邪魔しないで!」
歌子「良子ネーネー 落ち着いて。」
良子「ごめんなさい。 ちょっと イライラしてて。 好き嫌いが多くて 困ってるさ。」
優子「晴海 しばらく うちで ごはん食べていく?」
晴海「いいけど 何で?」
優子「ちょっと 考えがあるさ。」
畑
優子「うん。 フフ。」
晴海「おばぁ これ何?」
優子「これは 島らっきょう。 あっちは シマナーに ハンダマ。 畑とお話して 今日は 何がおいしいか 聞いてみようね。」
晴海「畑とお話?」
優子「これは モーウイ。 赤瓜とも言うわけ。」
優子「食べてみて。 はい。 ほら 野菜の声が聞こえる? 今日 晴海ちゃんが お水をあげたから 明日は もっとおいしくなるねって 言っているよ。」