奈々子「…なので ここから先は 耳で聞いたことを 多少の私の想像というか 演出を含めて 再現するわね」
真理亜「おう なるほど」
柴田「分かりました」
回想
恵文「いや …だからさ」
恵理「お父さん 白状した方が楽になるよ」
文也「そうですよ」
恵文「白状って… そんな 犯人みたいに!」
恵理「犯人さ」
恵文「いや だからさ…」
勝子「何に 使ったわけ?」
恵文「いや… 何ってことはないさ 何でかね~ お金というものは なくなってしまうもんだね ハハハ… ねえ!」
ハナ「おばぁは もう寝ようね」
勝子「お母さん…?」
恵理「大丈夫? おばぁ」
ハナ「おやすみ」
回想終了
真理亜「ほう… それで?」
奈々子「うん? いや… それで あの… 夜中に おばぁと お母さんが 何か 2人で 小さい声で しゃべってたんだけど 何を言っていたのか 聞き取れなくて… それで 朝…」
回想
恵理「お母さん」
勝子「いいから ほら みんな 行くよ!」
恵理「おばぁ 大丈夫なのかね?」
祥子「うん…」
勝子「ほら! ぐずぐずしない!」
祥子「はい すみません
回想終了
奈々子「…というわけなんです で 私は仕事なので 東京に戻ったというわけです」
みづえ「おばぁ 大丈夫なのかしらね 何か 心配ね」
奈々子「はい」
柴田「勝子さんの行動も 気になりますよね…」
奈々子「あれ? ねえ そういえば 容子さんは?」
柴田「ちょっと 出かけてくるって 言ってました」
奈々子「そうなんだ」
真理亜「ちょっと 柴田」
柴田「はい?」
真理亜「容子さん 最近 何か おかしくないか?」
島田「何か 悩みがあるみたいだね」
真理亜「うん! …何よ?」
柴田「えっ? いや 僕にも分かりません」
みづえ「栞ちゃんのアレルギーのことかしら?」
柴田「いや それは 違うと思います… いや 確かに 分かった時には 夫婦で 悩みましたけど でも 今は もう大丈夫です」
真理亜「じゃ 何よ? 離婚したいとか? あんたと」
柴田「いえ! そんな…」
みづえ「何だか 寂しそうなのよね 時々 何か ぼうっと考えごとして 遠くを見てるような時があるの」
柴田「いや… 容子さん 去年 長野のお母さん 亡くしたじゃないですか お父さんも 随分前に 亡くされて… それ以来 何となく『私には もう 帰る場所がないんだな』って 時々…」
真理亜「う~ん…」