道中
(子供達は争っている声)
文也「ちょっと! おい! 何やってるんだ?! おい! こら! おい! おい 和也 大丈夫か?」
文也「どうしたわけ? 和也」
和也「…何でもない」
文也「おい おい! 和也」
こはぐら壮
勝子「あ~ 気持ちいいね~! ありがとう」
文也「ただいま」
恵理「おかえり~ 何でね? 和也! どうしたわけ?」
和也「何でもない」
恵理「はっ? 和也! ちょっと…」
夜
文也「恵理 そんな顔するな」
恵理「でもさ 分からない 最近のあの子 あんな けんかなんか するような子じゃなかったさ」
文也「てれくさいんだよ」
恵理「はっ? 何が?」
文也「中学生がさ 恵理のことで からかったらしいんだよ まあ 他愛のないことだよ お前の母ちゃん 色っぽいなとか そんなこと まあ 褒められたことじゃないけど あの年頃には よくあるっていうかさ 自分のお母さん 侮辱されたみたいで 悔しかったんじゃないのかな 勝てるわけもないのに 中学生3人に 向かってって」
祥子「やるね 和也」
文也「うん… そういうこと だから… てれくさいんだよ 恵理」
勝子「うれしいね ねえ 恵理 いい子に育ってるさ 和也は」
庭
和也「やめれ」
恵理「何言ってる~ このてれ屋さんが お母さんは分かってるよ 和也」
和也「はあ?」
文也「恵理!」
恵理「分かってるさ あんたが きれいなお母さんのことが 一番好きなの うんうん 分かってる 分かってる」
和也「はあ? アホか」
恵理「あら?」
勝子「恵理」
恵理「うん?」
文也「うれしいのは 分かるけどさ 今のは ちょっと余計だと思うよ」
恵理「あら そうかね」
勝子「おばぁも そうなんだはずね」
恵理「ん? おばぁが? 何?」
勝子「自分の子供が 自分のことを どう思っているのか たまには聞きたいし 知りたいのかもしれないわけさ」
恵理「えっ?」
祥子「どういうことですか?」
勝子「さて 帰ろうかね 明日
古波蔵家
居間
島袋「こんにちは! 島袋です! あっ しまった! いつものくせで つい つい 来てしまったさ 勝子さんに 来ないようにって言われてたのに]