連続テレビ小説「カーネーション」第88回「揺れる心」【第16週】

あらすじ

糸子(尾野真千子)は北村(ほっしゃん。)から既製服工場の手伝いを頼まれる。デザインを考えてほしいというのだが、客一人一人に合わせて洋服を作る自分のやり方との違いに、糸子は気が進まない。一方で娘たちの習いごとの間に仕事をしようと思いつくが、そのせいでピアノを買ってほしいという3人そろっての猛攻撃が始まってしまう。ようやく決心がつき、周防(綾野剛)に会うことを恐れながらも糸子は組合の事務所を訪ねる。

88ネタバレ

料理屋

三浦「この北村に… 手ぇ 貸しちゃってくれんか。」

糸子「は?」

北村「今日あんたを 呼び出したんはな…。」

糸子「はい。」

北村「レディーメード。」

糸子「レディーメード? 何ですか? それ。」

北村「合うとるやんけ。 レディーメードや。」

糸子「そやから 何ですか? それ。」

北村「知らんのかいな? はあ! 洋服の新しい商売法や アメリカ式の。」

糸子「はあ…。」

北村「まあ あんたとこも そやけどな 今の洋裁屋が やってんのは 昔ながらの呉服屋のやり方やねん。 客から注文 受けて 生地 選んで 丈 測ってゆうて 1着ずつ 作っていくやんけ。 せやけど アメリカ式は ちゃうねん。」 もう 先に作ってまうのや。 同じ型で 何枚も何枚も作ってから 店に並べて 売るんや。 これやったらな 無駄が出にくいさかい 値段を ぐっと下げられんねん。 そやから このレディー…。」

糸子「レディーメード。」

北村「レディーメード。 これが これから 日本でも 絶対 流行る思てんねん。 そやから 見ちゃあってみい。 こらからは レディーメードの時代やでえ。」

糸子「はあ…。 ほんで?」

北村「えっ?」

糸子「うちに 話が あるっちゅうんは?」

北村「ああ そや… それや それや。 あの…。」

三浦「なあ なあ 小原さん。 要はやな… こいつは こいつなりに これからの時代を こう読んでると そういう事や。」

糸子「はあ…。」

三浦「で 既製品の店を やりたいちゅう訳や。」

糸子「はい。」

三浦「言うてる事は 一理ある。 やる気もあるし 努力もしよる。 そやから この 組合としてはな こいつを応援したいと思てるねん。」

糸子「うん。」

三浦「心斎橋にな… とゆうても まあ ちょっと こう 外れの方やけどな そこに 小さな店と工場を構えると こういう話は つけてきた。 あとは さあ 商品をどうするかや。 そこで 小原さん あんたの協力が欲しいと こういう訳や。」

糸子「はあ…。 いや… けど すんません 組合長。 今は うちも その… 自分の店で 手いっぱいですよって。」

三浦「分かってる。 うん よう分かってる。 そやさかい あんたを 工場に ピシャッと張り付けてこうて そんなふうには 思てへん。 その工場には 別に ちゃんと監督を立てちゃる。 なあ! ほんで あんたには 新しい洋服の型 これ いくつか 作ってほしいんや。 で それを 監督に 上手に教えてやってほしいんや。 それだけや。 なあ! そんだけで かめへんね。」

糸子「はあ…。」

三浦「賃金は 歩合制や。 売り上げの1割。 どうや? 悪い話やないやろ?」

糸子「はあ…。 う~ん…。」

小原家

居間

糸子「う~ん…。」

松田「受けましょ 先生。 受けな あきません。」

糸子「せやけど…。」

昌子「120円のブラウスが 300着 売れて 1割やとしたら… 3,600円! はあ~ でかい! ハハハッ! ええ商売や。」

松田「なあ!」

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