袖が浜漁協 仮事務所
磯野「痛い 痛い 痛い 痛い…!」
かつ枝「な な な… 何!?」
磯野「体毛も一緒に 編みこんでしまいました!」
かつ枝「バカだなあ!」
(笑い声)
天野家
夏「それでも ここで笑ってる。 笑って暮らしてる かつ枝と長内さんにさ おめえ『ここに いたら 危ねえよ』だの『海から離れて暮らせ』だの 言えるか?」
夏「おら 言えねえよ。 おらだって もし ここ離れたら 忠兵衛さん どこに帰ってくるんだ? 高原のログハウスか? それとも 世田谷のマンションか?」
アキ「似合わねえな。」
夏「フフッ だから ここで待ってるしかねんだ。 忠兵衛さんと 引き合わせてくれた海が おらたち家族の おまんま食わせてくれた海が 1回や2回 へそ曲げたぐらいで よそで暮らすべなんて おら はなっから そんな気持ちで生きてねえど。」
アキ「うん。」
(笑い声)
かつ枝「いるか~?」
夏「あららら…。 噂をすれば 北三陸のベストカップル!」
かつ枝「何? 誰と誰?」
アキ「組合長と眼鏡会計ばばあだ!」
かつ枝「何!? この野郎!」
磯野「天野 天野! ほれ ほれ ミサンガ! これ 種市さ送ってやれ!」
アキ「ありがとう。」