北鉄
ユイ「おはよう。」
アキ「…。」
ユイ「おはよう。」
アキ「…。」
<しかし 2人の関係は もはや 修復不可能です>
喫茶・リアス
大吉「ちょ… ちょっとまって。 やらないって 何を?」
夏「だから お座敷列車のイベント アキは やらねえって言ってる。 悪いなあ…。 本人が そう言ってっから。」
大吉「じぇ~! それは だって じぇじぇ! もう準備じぇ 準備じぇじぇ じぇんぶじぇんぶ…!」
弥生「『じぇ』抜きで しゃべれ! イライラする!」
大吉「チケットも完売 列車の内装も完璧 総工費1,000万 お料理 お飲み物の発注もやって あとは アキちゃん ユイちゃん 乗るだけだよ!?」
弥生「その2人が 男の取り合いで 泥沼だもんな。 泥沼列車だ。」
大吉「とにかく やってもらわねば 困るんだ! 吉田~!」
観光協会
吉田「全く えらい事してくれたな 種市君よ。」
大吉「本当だよ。 おとなしく アキちゃんと つきあってればいいものをよ。」
ヒロシ「何が不満なんだ? アキちゃん めんこいべ。」
菅原「今からでも遅くない。 より戻せ。」
種市「いや 無理っす! 自分の気持ちに嘘をつけねえっす。」
(笑い声)
吉田「自分の気持ちなんか どうでもいいべ!?」
種市「すいません。」
大吉「北鉄は今 存続の危機に さらされてるんだよ! お座敷列車は起死回生の 町を挙げての 一大イベントなんだじゃ!」
菅原「運行中止になったら 栗原ちゃん どうなる?」
栗原「はい。 総工費1,000万 宣伝経費200万円 飲食費75万円 当日の警備費 人件費60万円 チケット払い戻しに 115万円 締めて 約1,500万円の損害ですね!」
大吉「間違いなく 北鉄は廃線だべ という現実を踏まえて もう一度 聴く。」
吉田「アキちゃんとユイちゃん 君が好きなのは…。」
種市「ユイです!」
ヒロシ「アキちゃん めんこいべ!」
栗原「ヒロシ君 さっきから それしか言ってない…。」
菅原「足立君は 今でも アキちゃんの事が好きなんだよ! しかも ユイちゃんの実の兄だ。」
吉田「そりゃ 複雑だ。」
菅原「複雑すぎて 訳分かんなくなって たまたま近くにいた 栗原ちゃんと 今 職場恋愛中です。」
ヒロシ「それは 今 いいじゃないですか…。」
栗原「たまたまじゃねえし。」
菅原「その複雑な足立君が アキちゃんとの交際ば 全力で勧めてるんだ! その 気持ちば酌んで あと3~4日 こっちさ いる間だけ 彼氏になれ。」
種市「いや 無理っす! 自分の気持ちに嘘はつけねえっす。」
大吉「お前の気持ち一つで ローカル線1本 救えんだよ!」
種市「俺だって 北鉄好きだし 無ぐなってほしぐねえっす! でも… 無理っす。 第一 今更 天野に 交際申し込んだって OKしねえと思う。 不器用で バカだけど 人の本心は見抜く 勘のいい奴です。 自分は 天野を傷つけてしまった。 もう つきあう資格ねえっす。」
菅原「しかたがねえ 中止か…。」