聡文堂
須藤「よろしく。」
英治「確かに お預かりしました。 何か 安東さん いつもと違って見えますね。」
須藤「飾りじゃない?」
英治「ああ。 なるほど。」
須藤「今日 大切な人に会うらしいよ。」
英治「へえ~。」
醍醐「はなさん 待ち合わせ6時よね? 10分前よ。」
はな「てっ 10分前? 編集長! 今日は お先に 失礼しても よろしいでしょうか。」
梶原「ああ。 待ちに待った逢い引きの日か。」
はな「逢い引きだなんて そんな…。」
醍醐「お二人で積もる話も あるでしょうから 私は お邪魔しませんから。」
はな「醍醐さんまで…。」
カフェー・ドミンゴ
かよ「いらっしゃいませ。 お一人様ですか?」
蓮子「待ち合わせです。 もう一人 後から来ます。」
かよ「こちらへどうぞ。 ご注文は?」
蓮子「ああ… 紅茶を。」
かよ「かしこまりました。」
蓮子「あっ セイロンティーにしてちょうだい。」
かよ「えっ?」
蓮子「セイロンティーを。」
かよ「かしこまりました。」
かよ「『せーろんてえ』って…。」
「『せーろんてえ』?」
「さあ…。」
かよ「あの… 『せーろんてえ』って 誰か 知ってます?」
「『せーろんてえ』?」
龍一「誰が そんな物 頼んだの?」
かよ「あの お客様が。」
龍一「ブルジョアか…。」
聡文堂
はな「では 皆さん 今日は お先に失礼します。 ごきげんよう。」
一同「お疲れさま。」
醍醐「蓮子様に よろしくね。」
はな「ええ。」
宇田川「邪魔。」
梶原「宇田川先生。」
はな「宇田川先生…。」
須藤「どうぞ こちらへ! さあ!」